研究課題/領域番号 |
22K11410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
目片 幸二郎 四條畷学園大学, リハビリテーション学部, 教授 (40918588)
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研究分担者 |
滝沢 穂高 筑波大学, システム情報系, 教授 (40303705)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 嚥下機能解明 / 頸部構造物自動検知 / 椎体・棘突起 / 頸椎椎間板 / 嚥下運動 / 動態解析 / 嚥下障害 / 頸椎運動 / 医工連携 |
研究開始時の研究の概要 |
嚥下造影検査動画(VF動画)に工学的な画像解析技術を用いて嚥下運動時における頸椎動態を明らかにし,嚥下障害の原因の一端を究明することによって,その診断法,治療法およびリハビリテーション法を確立することを研究目的とする.嚥下障害は患者個人に不利益をもたらすだけでなく,医療費増大などの社会的な不利益につながるため,その原因を探り診断法や治療法を確立することは重要であることから嚥下と嚥下障害に関する研究が数多く行われているが,その多くは医学的側面だけからアプローチしているものが多かった.我々は嚥下障害と頸椎動態との関係性に着目し,医学的知見のみならず工学的な画像解析技術も用いて原因究明に迫っていく.
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研究実績の概要 |
嚥下機能解明を目的とした本研究において、X線透視装置を使用して頸部構造物の自動検知プログラムの開発を行っています。このプログラムの目的は、嚥下時における頸部の構造や動きを正確に把握し、嚥下機能に関する情報を得ることです。このような目的のもと,X線透視装置を用いて頸部構造物の自動検知プログラム開発を行い2022年度は以下3つ(国内2,国際1)の学会で研究成果を報告した. ・塩田紘司,目片幸二郎など,U-Net を用いた頸部X 線動画からの椎体・棘突起の抽出に関する基礎的検討第41回日本医用画像工学会大会 2022.7 ・Luo Shijie, Hotaka Takizawa, Kojiro Mekata, Hiroyuki Kudo,Preliminary Study on Extraction of Cervical Intervertebral Disks from VF using HFE-HE Filter, GC Filter, Multi-channelization and M-Net,電子情報通信学会, 2022.10 ・Hotaka Takizawa, Ayano Fujinaka, Erika Gunji, Kojiro Mekata, Hiroyuki Kudo Preprocessing Optimization and Semantic Segmentation for Extraction of Cervical Intervertebral Disks from Videofluorography,Proceedings of 2022 26th International Conference on Pattern Recognition, 2022.8
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、VF動画に工学的な画像解析技術を用いて正常高齢者の頸椎動態を解明することを目的としています。この計画の中で、2022年に予定していたことは3つの主要なタスクです。まず、1つ目のタスクはVF動画撮像協力者のリクルートです。このタスクでは、正常高齢者からVF動画の撮影に協力していただける方々を募集し、予定通りに撮像協力者を集めることができました。 2つ目のタスクは、VF動画のデータベース化でした。VF動画は大量のデータを含むため、これらを効果的に管理するデータベースの構築が必要でした。この作業も順調に進み、VF動画のデータベース化は完了しています。これにより、解析に必要なデータの迅速なアクセスと管理が可能になっています。 3つ目のタスクは、VF動画に画像処理技術を応用して頸椎動態解析手法を確立し、実装することでした。このタスクでは、解析プログラムの開発を進め、実装できる段階まで到達しました。画像処理技術を用いてVF動画から得られるデータを解析し、頸椎動態に関する有用な情報を抽出するためのアルゴリズムや手法を開発しています。これにより、VF動画から頸椎の動きを正確に分析できるように目指しています。 研究計画の2つの主要なタスクが完了し、3つ目のタスクに関しても解析プログラムの実装が進んでいることは、研究計画は順調に進んでいると考えています。これにより、正常高齢者の頸椎動態に関する詳細な解析が可能になり、将来的には嚥下運動時の問題や障害の早期発見や予防に貢献できる可能性があります。今後は、実装段階からさらに洗練された解析手法を開発し、解析結果をより具体的な形で評価・利用できるように研究を進めていきます。
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今後の研究の推進方策 |
上記,研究計画(VF動画に工学的な画像解析技術を用いて嚥下運動時における正常高齢者の頸椎動態の解明を目的にしたVF動画撮像)にある2022年に予定していた,タスク3.VF動画に画像処理技術を応用して頸椎動態解析手法の確立と実装が完了次第,研究成果を関係学会や論文誌へ投稿する計画である. 2023年には、VF動画における画像処理技術を応用した頸椎動態解析手法の確立と実装に取り組む予定です。具体的なタスクとしては、開発した解析プログラムをVF動画に適用し、得られた結果の医工学的検証を行います。 解析プログラムのVF動画への適用により、頸椎の動作パターンや関連するパラメータを詳細に抽出し、定量化することが可能となります。そのため、正常高齢者の嚥下運動時における頸椎の動態について、客観的なデータを得ることができます。これにより、頸椎の健康や機能に関連する指標やパラメータを解明し、嚥下障害や関連疾患の診断や治療に役立つ可能性があります。 また、得られた解析結果を医工学的に検証することも重要な課題です。研究チームは、解析結果の信頼性や再現性を確保するために、詳細な検証プロセスを進めます。これには、実際の臨床データとの比較や他の解析手法との比較などが含まれます。医工学的検証により、研究成果の妥当性や応用可能性を確認し、研究の信頼性を高めます。 また、解析プログラムとシステムインターフェースの融合も重要な課題です。研究チームは、解析プログラムを使いやすくするためのユーザーインターフェースの開発に取り組みます。医師や研究者が効果的に解析プログラムを利用し、頸椎動態の解析結果を評価できるようにすることを目指しています。また、医師による検証を通じて、実際の臨床現場での有用性や実用性を確認し、さらなる改善や適用範囲の拡大を図っていきます。
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