研究課題/領域番号 |
22K11417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 名誉教授 (20263676)
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研究分担者 |
石原 秀行 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50346566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 幹細胞 / 重力制御装 / 間葉系幹細胞 / HGF / TGF-β / アポトーシス抑制 / 神経保護効果 / 脳梗塞 / 微小重力 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID19)に対するリスク回避から,自粛を余儀なくされ閉じこもりによる運動不足や食生活の変化などに起因する生活習慣病の増加が懸念されている.また,COVID19が肺胞上皮細胞や血管内皮細胞に感染するとサイトカインストームによる血栓形成による脳梗塞の発症なども報告され,COVID19治療後に脳梗塞を発症し,退院まで6ヶ月を要したケースもあり社会的な問題となっている. 本研究では,ヒト頭蓋骨由来間葉系幹細胞および微小重力環境の融合した培養幹細胞による脳梗塞再生医療の治療効果を様々な観点から検証する.
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研究実績の概要 |
重力制御装置Graviteを用いた模擬微小重力 (simulated microgravity: MG)環境で5日間培養を行った.対称群として,培養フラスコを通常重力 (1G)環境で静置 し,培養を行った.In vivoでは, 1GおよびMG環境で培養したヒト頭蓋骨由来間葉系幹細胞(human cranial bone marrow derived mesenchymal stem cells: hcMSC)を脳損傷モデルマウスに経静脈移植し,4週間にわたってBeam walking testとRotarod testを用いて運動機能評価を行った.また,移植翌日の脳損傷領域 を採取し,炎症およびアポトーシスの変化を検討した.In vitroでの解析として,1GおよびMG環境で培養したhcMSCの遺伝子発現をreal-time PCR法を用いて検討 した.また,両条件でのhcMSCの培養上清を回収し,過酸化水素水またはリポ多糖によって細胞死を誘導した神経芽細胞腫 (NG108-15) に培養上清が与える影響 を,生存率と遺伝子発現解析によって評価した.その結果,in vivoではMG環境で培養したhcMSCを移植した脳損傷モデルマウスの運動機能が早期から有意に改善 し,損傷領域における炎症およびアポトーシスマーカーの発現抑制が確認された.in vitroの解析では,MG環境で培養したhcMSCで神経保護因子の一つであるHGF と抗炎症因子であるTGF-βの発現が1G環境で培養したものと比べ有意に高かった.また,NG108-15に対する効果では,MG環境の培養上清において,生存率が有意 に高く,in vivoと同様に炎症およびアポトーシスマーカーの有意な発現抑制がみられた. よってMG環境での培養されたhcMSCは炎症およびアポトーシス抑制に よる神経保護効果が高いことが示された.また,細胞形態及び細胞骨格の変化に起因する画像的に評価できるシステムをDX解析を用いて解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
模擬微小重力での培養が効果の高い幹細胞培養に結びつく可能性が示せた.細胞培養の工程で判別出来るマーカーの検討を行っているが新規のEvidence baseなマーカーを検討したい。画像的に評価できるシステムをDX解析では良いデータが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
効果の高い幹細胞のマーカーの開発を行いたい.細胞の形態に起因する画像的に評価できるシステムをDX解析を用いているがn数(臨床データとの互換性のあるものが現在10例)を増やしたい。
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