研究課題/領域番号 |
22K11419
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
本田 祐一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40736344)
|
研究分担者 |
沖田 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50244091)
坂本 淳哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20584080)
佐々木 遼 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (90908568)
|
研究期間 (年度) |
2024-01-17 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 筋性拘縮 / 線維化 / ミトコンドリア / PGC-1α / AMP |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは筋性拘縮の発生機序の探索を進め,その主病態である線維化の発生にミトコンドリアの機能不全に伴う筋核のアポトーシスが関与することを報告してきた.つまり,筋性拘縮の発生機序の最上流ではミトコンドリアの機能不全が重要事象であると推測されるが,その分子機構は不明であった.そこで,本研究ではミトコンドリアの機能不全に深く関与するミトコンドリア融合・分裂因子の制御機構を探索し,筋性拘縮の発生機序を解明する.さらに,線維化は惹起されるものの,筋性拘縮が生じない除神経・後肢懸垂モデルの骨格筋を検索に加え,ミトコンドリア動態の違いや線維化で増生するコラーゲンアイソフォームへの影響を探索する.
|
研究実績の概要 |
本年度は「不動化した骨格筋におけるミトコンドリア融合因子の制御機構の探索」を主たる研究テーマとして掲げ,ミトコンドリア融合因子であるmitofusin(mfn)-1の変化に関与するperoxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator(PGC)-1αやその調節因子であるadenosine monophosphate-activated protein kinase(AMPK)を検索し,これまでの自験例と照合することで筋性拘縮の発生機序との関連性を検討した.実験動物には8週齢のwistar系雄性ラット20匹を用い,両側足関節を最大底屈位にてギプスで1,2週間不動化する不動群(各5匹)と同週齢まで通常飼育する対照群(各5匹)に振り分け,実験期間終了後は各ラットの両側ヒラメ筋を採取した.そして,採取した筋試料の一部はreal time RT-PCR法に供し,PGC-1αのmRNA発現量を測定した.また,一部はELISA法に供し,AMPKのタンパク発現量を定量した.その結果,PGC-1αのmRNA発現量ならびにAMPKのタンパク発現量はいずれの不動期間とも不動群が対照群より有意に低値を示した.この成果をこれまでの自験例と併せて考えると,不動に伴うAMPKを介したPGC-1αの発現低下によってmfn-1の発現が抑制され,この変化がミトコンドリアの機能不全に影響を及ぼしたと考えられる.そして,これらの動態が筋核のアポトーシスを誘発することで線維化が生じ,筋性拘縮の発生につながったと推察された.今後はAMPKの制御に関わるカルシウムイオンに着目し,検索を進めていく予定である.
|