研究課題/領域番号 |
22K11426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 人間総合科学大学 |
研究代表者 |
宮澤 拓 人間総合科学大学, 保健医療学部, 助教 (40866795)
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研究分担者 |
塙 大樹 人間総合科学大学, 保健医療学部, 助教 (00884032)
平田 恵介 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (50862603)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 腱弾性 / 超音波エコー / 立位制御 / 加齢 / 筋-腱相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
筋収縮によって生じる張力は腱に弾性エネルギーとして蓄積され、俊敏かつ強力なパワーを発揮する。そのため、加齢変化は筋の質的・量的な変化のみでなく、筋と腱の相互作用としての長さ・張力変化を評価することが重要である。超音波エコーでそれらの動態を評価する場合、描出範囲が限られており、一部の筋線維の変化で筋腱全体の動きを推定することとなる。 本研究では筋腱全長のパノラマ画像を作成し、より正確に長さ変化を算出する。その画像を用いて、腱変性の程度は立位制御に影響するのか、さらに変性した腱に対して筋はどのように収縮様式を変容させているのかを明らかにし、腱の力学的特性と身体運動の関係性を探求する。
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研究実績の概要 |
初年度の研究では、超音波エコー画像の画像処理プログラムの作成と実験環境の構築を主に行った。 まず本研究予算にて計上した費用で購入した超音波エコーを使用し、下腿三頭筋の起始部から停止部までを描出し動画ファイルとして保存した。動画ファイルを数値解析ソフトウェアMATLABを使用し、起始部から停止部までの1枚のパノラマ画像となるような画像処理プログラムを作成した。具体的には時系列ごとに連続する画像データを相互相関から近似する移動量の位置を見つけ、重ね合わせることで一枚の画像を得た。さらに結合した画像は重なり合う領域を平均化することで平滑化した。結果、起始部から停止部までの全体像を筋の階層的な構造を明瞭に読み取れる質で結合することに成功した。 一方結合したパノラマ画像では、筋線維の不明瞭さがみられた。これは筋腱全長を描出する際にプローブを動かしながら動画保存するため1フレームごとの解像度が静止画に比べて落ちるためである。筋線維を自動で読み取るプログラムにて解析することで部位ごとの羽状角の算出ができるように今後目指す予定である。 アキレス腱の力学的特性を計測するためには、1.超音波エコーによる筋腱の描出、2.足関節を固定し筋トルクの測定が必要となる。足関節を固定し底屈トルクを測定できるトルク測定器をカスタムメードで作成し、底屈トルクを発揮している際の筋腱の動態を観察した。結果、腱の伸張量と底屈トルクからアキレス腱に加わる張力を算出することができた。しかし、底屈トルクはこれまでに報告された値よりも若干小さいものであった。足関節の固定性の改良などを行い、最大の筋力が発揮できるようにすることで正確な実験環境の構築を図る。 今後は健常成人者での予備研究を追加で実施し、正確な計測が可能になり次第、高齢者での計測を開始し、本研究の主たる目的である加齢変化の解明に繋げていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像処理プログラムの作成が概ね完了し、実験計測の環境も構築が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
健常高齢者の実験計測を開始する。得られたデータを健常若年者のものと比較することで本研究の主目標である腱の加齢変化と姿勢制御の関係性について明らかにする。
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