研究課題/領域番号 |
22K11437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
山中 悠紀 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (50404760)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 立ち上がり動作 / 運動制御 / 動作加速度 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴って椅子からの立ち上がりが難しくなる高齢者は多いが、動作が困難になっていく過程がどのような要因に影響を受けて成り立つのかについては十分に解明されていない。本研究では立ち上がり動作の殿部離床に関わる体幹前傾運動に含まれる動作のスムーズさを調整すると考えられる微細な動揺に着目し、加速度センサによってそれらを捉えることで運動制御能力を評価する方法を確立することを目的とし、動作が難しくなる前段階を捉えて運動制御の変化に対応した運動プログラムを構築することを目標とする。
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研究実績の概要 |
加齢に伴って椅子からの立ち上がりが困難となる高齢者は多いが、その変化がどのような要因に影響を受けて生じるのかを経時的に示すことは容易ではない。立ち上がり動作では動作開始から臀部離床までの身体重心(COM)の前方への加速が体幹前傾によって生じることや前方運動量の減少がその制御が困難なことに起因することを考慮すると動作遂行に欠かせない体幹前傾運動によるCOM運動量の生成と制御を定量化することがその解明につながる可能性がある。本研究では立ち上がり動作時の体幹前傾運動に伴って発生する動作加速度に着目することで運動制御を客観的に捉える方法を確立することを目的として、当該年度ではまず立ち上がり動作を動的に制御する能力を動作加速度から定量化する評価システムの構築とのその有用性の検証を行った。具体的には男子大学生15名を対象として頭・腕・体幹(HAT)質量中心付近である胸部正中後面の肩甲骨下端部の高さに小型慣性センサを装着して体幹加速度を評価できるシステムを構築し、40cm、20cmの椅子から立ち上がりを行わせ、加速度・角速度・地磁気データによるデータ補正によって求めた運動加速度から同部に加わる速度を算出してHAT質量中心の前方運動量の推定を試み、3次元動作解析装置による計測で算出したHAT前方運動量との一致度および体幹前傾角度、床反力、下肢関節モーメント、力学的仕事との関連性を分析することでその有用性を検証した。その結果、当該年度の成果としてセンサで推定したHAT前方運動量には3次元動作解析装置で求めたHAT前方運動量との高い一致が示されるとともに臀部離床時のCOM前方運動量と床反力後方成分、股関節伸展モーメントに有意な相関が認められ、体幹にセンサを装着することで立ち上がり動作時の体幹前傾による水平方向運動量を捉えて動作制御の評価に利用できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度では立ち上がり動作を動的に制御する能力を動作加速度から定量化する動制御評価システムを構築し、その有用性を確認した。さらに、同システムを利用して、①動作速度を速めた条件、②短下肢装具を右装着した非対称な条件、③立ち上がりを動作終了後に立位保持を行わずに前方へ倒れ込む立ち上がり失敗条件を設定してデータ計測を実施するとともに臨床評価を考慮して慣性センサのみでは評価できない運動学的データ取得のためのデジタルカメラとフリーウェアを用いた体幹運動解析との併用についても検討しており、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の成果をもとに計測したデータから立ち上がり動作時の体幹前傾運動によって発生する動作加速度から動作制御への影響を定量化する方法を確立するための解析を引き続き行うとともに、高齢者を対象とした評価を行うことで立ち上がり方略の違いと運動制御の関係を明らかにすることを試みる。
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