研究課題/領域番号 |
22K11440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 愛知医療学院短期大学 |
研究代表者 |
木村 菜穂子 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 講師 (00544751)
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研究分担者 |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (00549313)
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
清島 大資 東海大学, 医学部, 講師 (80756370)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 力学刺激 / 筋膜 / 超音波画像 / 徒手療法 |
研究開始時の研究の概要 |
筋疼痛症候群は,疼痛や関節可動域制限,筋機能低下を引き起こし,日常生活動作や生活の質を低下させる。この病態に対する理学療法には,体表から徒手で力学刺激を与える徒手治療法や,近年世間を賑わす筋膜リリースをはじめ,様々な治療法がある。しかしそのエビデンスや推奨レベルは低い。 一方,皮膚から筋までの軟部組織は,7つの層構造を呈するといわれる。しかし,体表からの力学刺激が各層にどの程度伝わっているか生体工学的に検証した報告はない。そこで本研究の目的は,体表から力学刺激を与えたときの層構造の形態応答と,層構造違いとの関係を明らかにし,層構造の形態応答と筋疼痛症候群との関係を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,まず,①ヒト全身各部位における皮膚~筋の層構造の特徴を解明し分類化することである。また,精度の高い②皮膚への力学刺激・観察装置を作製し,①から得られた情報を基に③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけを行なうことである.そして,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いや,病態の有無による形態応答の違いを解明することである. 2023年度は,2022年度に行った①ヒト全身各部位における皮膚~筋の層構造の特徴を解明し分類化,②皮膚への力学刺激・観察装置の作成と精度検証をもとに,③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけを行ない,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いについて検証をおこなった. 皮膚への力学刺激・観察装置を用いて,前脛骨筋近位部,遠位部,大殿筋部,外側広筋部の4部位の皮膚を牽引した.皮膚牽引前と牽引後の超音波画像を取得し,皮膚から筋の各層における特定の部位の移動距離を測定した.皮膚牽引前と後の超音波画像を比較したところ,すべての部位において筋層の移動距離は皮下組織と比べて小さかった.またヒトの皮膚から筋までの組織構造を確認したところ,各層の構造が観察されたが,身体部位によって大きな違いはなかった.今後、皮膚への牽引刺激を与えた時の各層の形態応答について,詳細な組織学的な評価を加えて検証していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画で2023年度に予定していた③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけ,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いについて検証をおこなうことができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけについて,組織染色などを用いてさらなる検証を進める予定である.また,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いや,病態の有無による形態応答の違いの解明については,計測部位を増やし部位による違いの詳細を明らかにするとともに,病態に対する形態応答の違いについて研究を進める.
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