研究課題/領域番号 |
22K11441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
遠山 晴一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60301884)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Timed up and go test / 動作解析 / キネマティクス / ウェアラブルセンサ / ロコモティブシン ドローム(ロコモ) / ロコモ度 / 下肢キネマティクス / wearable sensor / 歩行解析 / ロコモティブシンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
年齢60歳以上の地域住民を対象として、ウェアラブルセンサによる歩行解析システムH-Gaitを用いたinstrumented timed up and go test(iTUG)を行ない、TUG課題中の股関節、膝関節および足関節の下肢キネマティクスおよび「ロコモ度」を評価する。さらに12か月後に第2次調査を行い、同対象に対して「ロコモ度」を再評価する。目的変数として第1次調査から第2次調査におけるロコモ度の重症化を、iTUGでのキネマティクスパラメータに加えて年齢、性別、BMI、体組成パラメータを説明変数として、多重ロジスティック回帰分析にてロコモ進行の危険因子を抽出する。
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研究実績の概要 |
Timed up and go test(TUG)は,簡便に複数の移動能力を評価できるテストであり,転倒リスク評価としても用いられている.また,加速度センサを用いて,TUGを区間分けすることにより,より詳細な評価を可能としたinstrumented TUG(iTUG)がある.申請者らが開発した,ウェアラブルセンサを用いた動作解析システムH-Gaitは加速度・角速度センサのデータより下肢関節角度や関節軌跡を算出できる.そこでTUG中の下肢キネマティクスをH-Gaitシステムと光学式3次元動作解析により評価し,H-Gaitシステムの妥当性を検証した.その結果、起立相において,股関節屈曲角度の相関係数は0.916から0.998,膝関節屈曲角度の相関係数は0.995から0.998、着座相における股関節屈曲角度の相関係数は0.933から0.997,膝関節屈曲の相関係数は0.987から0.999であった.また,歩行相における各波形の相関係数は股関節と膝関節に関しては0.9以上,足関節に関しては0.77から0.99の相関が見られた.したがって、H-Gaitは光学式3次元動作解析とTUGにおける歩行相だけでなく,起立や着座区間においても,股関節・膝関節の屈曲角度は高い相関性を示した.一方,足関節においては光学式動作解析との間に十分な相関を示すことができない対象が存在した.これは本システムのキャリブレーションにおける重力ベクトル測定の際,立位と座位における足部セグメントが同一の姿勢を維持できないことに起因する可能性が考えられた.以上の本システムの特徴をふまえることにより,H-Gaitを用いたiTUGテストは住民検診などでの移動能力の評価へ応用が十分可能なことが本研究により示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「いわみざわ健康ひろば」での第1次調査対象がCOVID-19感染蔓延による同施設の休止により第2次調査への参加協力が困難となり、第2次調査に着手できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
TUGでの下肢3次元キネマティク解析のためのH-Gaitプログラム修正および正当性検証をさらに進め、「いわみざわ健康ひろば」での第1次調査のデータを検討することにより、ロコモ発症の危険因子を抽出する予定である。
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