研究課題/領域番号 |
22K11442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
澤村 大輔 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20734750)
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研究分担者 |
Tha KhinKhin 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (20451445)
境 信哉 北海道大学, 保健科学研究院, 博士研究員 (30299804)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知機能トレーニング / 慢性外傷性脳損傷患者 / 神経心理学的評価 / Diffusion imaging / functional MRI / 外傷性脳損傷 / 高次脳機能障害 / diffusion MRI / resting-state fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
外傷性脳損傷では持続的な高次脳機能障害,特に認知制御機能である注意機能とワーキングメモリの低下をきたすが報告されている.近年では,外傷性脳損傷後高次脳機能障害に対するリハビリテーションの成果が報告されているが,慢性期における報告は少なく,特に重症度に応じた効果については十分なエビデンスが集積されていない.重症度に応じたトレーンングの有用性を明らかにすることは,臨床における効果的な治療実践,また対象者自身のセルフマネージメントにおいて重要な情報となる.本研究では慢性期外傷性脳損傷患者を対象に認知制御機能に焦点を当てたトレーニングの効果を重症度別で証明することで標準的な治療としての確立を目指す.
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研究実績の概要 |
今年度の上半期には北大病院リハビリテーション科、リハビリテーション部との連携体制を整備し、被験者リクルートを開始する準備に時間を要した。昨年度のパイロットスタディーを基に注意とワーキングメモリ課題からなるComputerized cognitive trainingを実装し、その効果を検証するための評価として機能的・構造的脳MRI検査、課題と同じ認知ドメイン、また異なる認知ドメインを評価する神経心理学的検査を準備した。これまで脳損傷例8例を対象にデータを取得した。脳損傷例8例に共通して4週間における週5回1日1時間の注意、ワーキングメモリに対するcomputerized cognitive trainingよるトレーニング課題自体の成績向上(課題特異的効果)およびトレーニング課題と同じ認知ドメインに分類される神経心理学的評価の成績向上(トレーニングの近位転移効果)が認められている。一方で、異なる認知ドメインを評価する神経心理学的検査の成績向上(トレーニングの遠位転移効果)における効果量は仮説通りとはいかず、小さな効果量にとどまっていることが確認された。この原因については、対象者の基本属性データ、また既往や重症度に基づくいくつかの要因が考えられるが、現状ではこの結果が妥当なものであるかどうかを含め、十分な考察ができていない。今後症例数を増やして検討していく予定である。予定より研究の進捗が遅れているため、今後は症例リクルート状況について研究分担者と情報を共有する会議を頻回に持つよう努めていく。できる限り期間内に目標症例数を達成できるよう連携をして研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
北大病院リハビリテーション科、リハビリテーション部との密な連携がとれておらず、被験者リクルートが遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
北大病院リハビリテーション科、リハビリテーション部との連携を強化し、症例のリクルートを円滑に行えるよう努力する。出来る限り早期に目標症例数に到達できるよう、状況に応じて高頻度に進捗報告、または症例リクルートについてのミーティングを開催する。ここから数例のデータ取得が決まっており、できる限り進捗の遅れを取り戻すように努力する。
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