研究課題/領域番号 |
22K11451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 浩明 福島県立医科大学, 保健科学部, 准教授 (30364433)
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研究分担者 |
根本 清貴 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80550152)
山口 智史 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (20594956)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 遷延性意識障害 / 経頭蓋直流電気刺激 / 軽頭蓋直流電気刺激 / 構造的結合性解析 / 神経修飾法 / 脳画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
遷延性意識障害者に対する有効な治療手段の一つとして微弱な電流を用いた脳刺激法であるtDCS刺激が注目されている。ただし、全例に効果があるわけではないため、改善する症例には、改善に必要な共通の神経基盤(構造的結合性)が存在すると考えている。そこで、本研究はtDCS実施後の改善例と非改善例の構造的結合性の特性を明らかにすし、さらに効果的に多くの症例に有効となる残存神経基盤に基づくテーラーメイドなtDCS刺激方法を開発する。
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研究実績の概要 |
[目的]遷延性意識障害例を対象とした軽頭蓋直流電気刺激(tDSC)の効果を検証するため、医師の指示に基づきtDCSが実施された症例の実施前後の意識障害の推移を後方視的に調査した。[方法]対象はtDCSが施行された遷延性意識障害例4例である。治療効果は遷延性意識障害重症度を把握するためのスケールであるComa Recovery Scale - Revised(CRSR)を用いた。解析はグラフ理論に基づく解析にて各種構造的結合性指標を算出した。対象となった症例のtDCS実施後のCRSRの個々の変化をみた。[結果]CRSRは、症例a Baseline 13,実施後 13、症例b Baseline 20, 実施後 23、症例c Baseline 12, 実施後 18、症例d Baseline 20, 実施後 20であった。baselineからtDCS刺激後に改善がみられた症例b,cを改善群、症例a,dを非改善群として2群の脳内結合性指標を比較した。 群:初回CRSR;tDCS実施後の変化量;Strength;Clustering coefficient;Transitivity;Global efficacy;Rout efficacyの順に表記し、改善群:16;4; 1883.985; 1657.713;29.463;68.880;0.0939, 非改善群:16.5;0;3448.130;205.669;45.712;71.485;0.0525であった。 [考察]改善群ではRout efficacyにおいて高値となる傾向が見られた。一方でStrength, Clustering coefficient, Transitivity, Global Efficacyは非改善群の方がむしろ高い傾向がみられた。しかしこの結果は少数例の比較によって得られた結果であり統計学的検定は行われていない。そのためこれらの結果が事実であるかを明らかにするために継続的調査が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査実施施設における新規入院患者が予想を大きく下回り、対象症例が少ない状況である。入院患者が想定より極端に少ない要因は不明である。在宅にて生活されている患者も調査対象とすることで、調査範囲を拡大できる可能性もあるが、頭部外傷後遷延性意識障害例はコロナウイルス感染症が発生した場合に致命的なイベントが発生する可能性があり、容易に外部での調査が実施できない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き新規入院患者を対象として医師の判断でtDCSが治療適応となる患者に施行された症例を対象に後方視的な調査を継続する。
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