研究課題/領域番号 |
22K11454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00227076)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 脳血管障害 / 脳由来神経栄養因子 / 座位 / 立位 / 運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、脳血管障害患者に対して、リハビリテーション(リハ)科医が身体所見と検査所見に基づいて診断した上で、熟練した療法士がリハ治療(プロリハ)をすればより良い機能回復が得られることを示した。しかし、その機序は不明であり、より効果的なリハ治療を行うためにその機序解明が必要である。その機序として、抗重力での筋収縮とIL-6やBDNFを含むマイオカインの分泌などの働き、そして、抗重力位による血流の変化であるという仮説をたてた。本研究において、脳血管障害患者のリハ治療中の大腿四頭筋の表面筋電図測定とプロリハ治療前後の血中BDNFとIL-6測定、頚・椎骨動脈血流測定等により仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳血管障害患者に対して、リハビリテーション科医が身体所見と検査所見に基づいて診断した上で、熟練した療法士がリハビリテション治療(Physiatrist and registered therapist operating rehabilitation、 PROr、プロリハ)をすればより良い機能回復が得られる機序を解明することを目的として計画した。その機序として、プロリハによりIL-6やBDNFなどのマイオカイン分泌があると考えた。 本研究において、急性期脳血管障害患者の実際のプロリハ治療前後の血中BDNFとIL-6測定を行う予定としていた。プロリハ実施内容に関しても検討を重ね、長下肢装具や短下肢装具等を活用し、必ず患者を立位にした上での歩行訓練を1時間程度は実施することとした。また、十分な運動負荷を得るために2時間以上のリハビリテーション治療を行うこととした。 全ての脳血管障害者に対してリハビリテーション科医師が必ず診察し、診断し、リハビリテーション処方を行う体制を構築した。さらに、本研究の柱である「熟練した療法士」育成のため、毎週勉強会を開催し、研究の準備を進めた。長下肢装具を準備し、長下肢装具を使用する歩行訓練のSkillも上げた。サイトカイン測定にも十分習熟した。後は、実際の患者を対象とした測定を行う状況とした。しかし、COVID-19感染予防のため、PPE装着でリハビリテーション訓練を行わなくてはならないため、十分なリハビリテーション治療実施が制限されてしまった。そのため、これまでの研究実施が困難となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前項に加えて、研究実施面での制約が大きかったことがあげられる。周知のように、令和4年度はCOVID-19感染症対策のため、患者家族の院内同伴があらゆる病院で許可されなかった。すなわち、研究倫理の基本である十分な説明と同意を得られる環境が整わなかった。特に、本研究の論理的基盤となった臨床研究が脳血管障害発症早期患者に対するリハビリテーション治療効果であったため、対象患者を急性期の脳血管障害者とした。必然的に多くの患者が軽度であれ意識障害を伴う。本研究は観察研究であるが説明と同意は必須であり、ご本人とご家族に説明し、同意を得なくてはならない。しかし、それが困難となった。そのため、実際の患者を対象とした研究が進捗しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年5月からCOVID-19感染症が5類相当感染症となった。感染症予防のための方策は変わらないが、脳血管障害者に対するリハビリテーション治療を積極的に行える以前の環境に戻ったと言える。また、今年度から研究実施施設を回復期病棟に変更し、意識障害が無く説明と同意を得られる患者を対象とすることとする。この対策により、研究は飛躍的に前進すると考えられる。完成年度までに研究を終了できると考えている。
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