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鉄過剰症による肝障害の免疫学的側面からの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K11476
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関北里大学

研究代表者

川村 俊彦  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70301182)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード鉄過剰症 / 肝臓 / マウスモデル / NKT細胞 / CD1d / ドーピング / 免疫
研究開始時の研究の概要

鉄は生体で最も多い金属であり、酸素を運搬する赤血球の合成をはじめ、あらゆる細胞機能に必要な物質である。ヒトには鉄の積極的排出機構が備わっていないため、頻回の輸血や過剰な鉄剤投与により、容易に鉄過剰症をきたす。過剰に蓄積した鉄は、肝臓・心臓・膵臓などに沈着し、臓器障害をもたらし、肝臓においては最終的に肝硬変、肝癌を引き起こす。
鉄過剰により誘導される肝障害のメカニズムはよくわかっていない。応募者らは、肝臓で起こる様々な病態には免疫システムが関与することを明らかにしてきたが、こうした免疫学的な側面から、鉄過剰による肝障害のメカニズムをマウス鉄過剰モデルを用いて明らかにする。

研究実績の概要

2023年度は、前年度に確立したマウス鉄過剰モデルの確立をもとに、鉄過剰状態マウスにおいて、肝臓におけるリンパ球にどのような変化があるか、特にNKT細胞に焦点を当てて解析を行った。

鉄剤は、ヒトの貧血治療に用いられる注射用鉄剤「フェジン」を用い、マウスは、6週齢のC57BL/6Nマウスを用いた。1回あたりの投与量を5mgとして、2週間に10回腹腔内投与(合計50mg)し、鉄剤投与終了後5~6週間の間隔をあけることにより、肝臓、脾臓、膵臓に肉眼的色調から鉄が沈着することを確認している。マウスには、衰弱等の症状は見られなかった。

鉄過剰状態のマウスから、胸腺、脾臓、肝臓のリンパ球を分離し、フローサイトメトリーによる解析を行ったところ、肝臓において、NKT細胞の減少(割合および絶対数)が見られた。肝臓においては、他のリンパ球には変化が見られなかった。また、胸腺、脾臓ではリンパ球の分画に変化は見られなかった。以上により、鉄過剰状態の肝臓において、NKT細胞が特異的に減少することが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度に確立した鉄過剰症マウスモデルの解析を、2023年度中におおむね解析することができたため。

今後の研究の推進方策

2024年度は、鉄が沈着した肝臓において、なぜNKT細胞が特異的に減少するのか、そのメカニズムの解明を進めたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (10件) 図書 (1件)

  • [学会発表] α-galactosylceramideの気管内投与により活性化するマウス肺NKT細胞.2023

    • 著者名/発表者名
      杉浦 菜月、 新井 まやの、 小田島 日向子、 醍醐 ひなた、 池田 優菜、 保科 葵、 川村 俊彦.
    • 学会等名
      第36回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第25回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エストロゲン誘導性肝炎におけるNKT細胞の活性化.2023

    • 著者名/発表者名
      新井 まやの、 小田島 日向子、 杉浦 菜月、 醍醐 ひなた、 池田 優菜、 保科 葵、 川村 俊彦.
    • 学会等名
      第36回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第25回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 免疫組織染色による小腸腸管上皮細胞におけるCD48発現の有無.2023

    • 著者名/発表者名
      小田島 日向子、 新井 まやの、 杉浦 菜月、 醍醐 ひなた、 池田 優菜、 保科 葵、 川村 俊彦.
    • 学会等名
      第36回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第25回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腎臓特異的B細胞の性状-骨髄未熟B細胞との類似性.2023

    • 著者名/発表者名
      醍醐 ひなた、 新井 まやの、 小田島 日向子、 杉浦 菜月、 池田 優菜、 保科 葵、 川村 俊彦.
    • 学会等名
      第36回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第25回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] α-galactosylceramide投与による腹腔B1細胞の変化.2023

    • 著者名/発表者名
      池田 優菜、 新井 まやの、 小田島 日向子、 杉浦 菜月、 醍醐 ひなた、 保科 葵、 川村 俊彦.
    • 学会等名
      第36回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第25回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] α-galactosylceramideによる肝NK細胞の活性化.2022

    • 著者名/発表者名
      新井まやの、小田島日向子、杉浦菜月、醍醐ひなた、長田真奈、川村俊彦.
    • 学会等名
      第35回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第24回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 腎臓特異的リンパ球の解析.2022

    • 著者名/発表者名
      醍醐ひなた、 新井まやの、 小田島日向子、 杉浦菜月、 長田真奈、 川村俊彦.
    • 学会等名
      第35回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第24回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] マウス小腸上皮内リンパ球におけるNK細胞レセプターCD244の発現.2022

    • 著者名/発表者名
      小田島日向子、 新井まやの、 杉浦菜月、 醍醐ひなた、 長田真奈、 川村俊彦.
    • 学会等名
      第35回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第24回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] α-galactosylceramide気管内投与によるマウス肺リンパ球の活性化.2022

    • 著者名/発表者名
      杉浦菜月、 新井まやの、 小田島日向子、 醍醐ひなた、 長田真奈、 川村俊彦.
    • 学会等名
      第35回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第24回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 唾液腺特異的リンパ球の解析.2022

    • 著者名/発表者名
      長田真奈、 新井まやの、 小田島日向子、 杉浦菜月、 醍醐ひなた、 川村俊彦.
    • 学会等名
      第35回北里大学バイオサイエンスフォーラム・第24回北里微生物アカデミー研究集会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] リッピンコットシリーズ イラストレイテッド免疫学 原書3版2023

    • 著者名/発表者名
      川村俊彦、縣保年、東みゆき、生田宏一、樗木俊聡、岡田随象、金山剛士、河上裕、高橋秀実、田中稔之、友藤嘉彦、中島裕史、馬場義裕、廣松賢治、藤尾圭志、三宅幸子、宮坂信之、宮坂昌之、森尾友宏
    • 総ページ数
      382
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308011
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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