研究課題/領域番号 |
22K11477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大川原 洋樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00821092)
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研究分担者 |
中島 大輔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40594528)
澤田 智紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70867697)
勝俣 良紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80464832)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心拍変動 / 疲労 / 汗乳酸 / コンディション評価 / コンディション / 汗中乳酸 / スポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
アスリートの生理マーカーによる身体コンディション評価は解析コストや解析所要時間に課題を残す。我々はウェアラブルセンサーを用いた汗中乳酸計測による乳酸閾値の同定に成功し、疲労前後に汗中乳酸閾値が変化することを報告した。従来の多くの心理コンディション評価は主観的であり、客観的指標である心拍変動も得られる値の変動が大きく選手間の比較が困難であった。そこで我々はアスリートを対象とした即時的に確認が可能な客観的身体・心理指標に基づく、これまでにない新たな総合コンディション評価手法を考案した。本研究では総合コンディション評価手法の基礎データをさらに蓄積し、実運用に向けた臨床データの取得を主たる目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究はアスリートを対象に、生理マーカーによる身体コンディション評価手法と、客観的心理コンディション評価手法を併せた総合コンディション評価手法の検証を主たる目的に設定している。 心理パフォーマンス評価に関して、心拍変動データ標準化に向けた安静時心拍変動データの収集を行う計画としていたが、計測に先んじて実施したプレ計測の結果から、より精緻な評価手法の確立のためには、絶対値だけではなく相対値も用いた標準化データの作成による評価手法の確立が必要であると感じた。そこで、2022年度は相対値計測における心拍変動評価手法の確立を目的に、成人男性400名を対象として、自宅で毎朝スマートウォッチを用いて2ヶ月間毎日心拍変動値を計測してもらったところ、計測された値の日間変動値を個人ごとにまとめその傾向を分析することで、個人の不安特性を抽出できることが明らかになった。2023年度には成人男性730名を対象として同様の心拍変動データを収集し、日々のデータに基づく個人毎の基準値を用いた判定を行うことで、労働パフォーマンスを評価可能な評価アルゴリズムの作成に成功した(論文化中)。 汗乳酸を用いた身体的コンディション評価手法の検討として、2023年度には、大学サッカー部所属の男子18名を対象として、①Test-retest法を用いた汗乳酸計測に基づくAT計測手法の信頼性検証および②汗乳酸計測に基づく試合で生じた急性疲労の評価手法の検証を実施し、良好な結果を得ている。この結果は現在論文化を進めている状況である。 最終年度である2024年度は、これまでで確立した心拍変動解析によるパフォーマンス評価手法をアスリートを対象に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は身体的コンディション、心理的コンディションの両側面からコンディション評価手法を検証する研究である。心理的コンディション評価手法の標準化として行う心拍変動解析に関して、絶対的な標準値だけではなく、相対的な標準値も明らかにすることでより精緻な評価手法を確立できると考え、2022・2023年度は計測手法の検討をするためにアスリート以外の対象者への計測を実施した。身体的コンディションは体液(汗・血液)や呼気ガス分析を含むため、COVID-19の感染予防の観点から2022年度の実施は見送った。これらの影響によ入り、一部遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2022~2023年度で確立した心拍変動を用いた、個別の標準値を用いた心理パフォーマンス評価手法をアスリートを対象として実施する予定である。汗乳酸を用いた身体パフォーマンス評価については、実運用前の課題についても追加で検討する必要が出てきたため、更なる評価検証をするめる予定である。
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