研究課題/領域番号 |
22K11482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
赤間 高雄 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60212411)
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研究分担者 |
稲井 勇仁 東北文化学園大学, 現代社会学部, 助教 (80973990)
枝 伸彦 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50711181)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 唾液 / 脱水指標 / スポーツ選手 / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
我が国において、熱中症は夏季に発症しやすい障害で、脱水が関与している。近年は唾液を用いて脱水を客観的に評価できる可能性が報告されている。そこで実際の競技スポーツ大会に参加するアスリートを対象に唾液脱水指標が熱中症の予防に有益な指標となりうるかを検討する。また、熱中症ハイリスクグループの子どもや高齢者において、唾液が脱水指標となりうるかを明らかにするために、唾液および血液脱水指標との関係性を検討する。
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研究実績の概要 |
唾液試料を用いて脱水の程度を客観的に評価できる可能性が報告されている。しかし、先行研究は実験室内での検討にとどまり、実際にスポーツを行っている競技スポーツ選手や熱中症の罹患が問題視されている子どもへの応用までには至っていない。そこで、2023年度は実際のスポーツ現場において、運動前後に採取した競技スポーツ選手や子どもの唾液が熱中症の予防に有益な脱水指標となりうるかを検討することを目的とした。2023年度はトライアスロン競技選手10名を対象に、約2時間のトライアスロンレース前後に刺激唾液を採取した。その結果、レース前からレース後にかけて尿比重が増加し( p < 0.01)、それに伴って唾液流量の減少と唾液浸透圧の増加が認められた( p < 0.01)。本結果から、唾液流量や唾液浸透圧が脱水指標として有効である可能性が推察された。一方で、地域のサッカークラブに通っている小学生12名を対象に90分間のサッカーの練習前後に刺激唾液を採取した研究では、練習前から練習後にかけて尿比重が上昇したものの( p < 0.01)、唾液流量や唾液浸透圧に有意な変化は認められなかった( p > 0.05)。唾液流量や唾液浸透圧の変化の違いについて、トライアスロンレースの方が小学生のサッカーの練習と比べて尿比重の増加量が大きかったことも一因と考えられるが、運動強度や時間、年齢の影響も含めて詳細な検討が必要である。2024年度は熱中症の罹患リスクの高い高齢者を対象者に加えた検討を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は夏季に予定していたトライアスロンの大学競技選手およびサッカーのジュニア競技選手を対象とした唾液採取実験を実施することができたため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はアスリートおよびジュニア競技選手を対象とした唾液採取実験を実施した。2024年度は熱中症の罹患リスクの高い高齢者の唾液を用いて、成人の唾液と比較しながら脱水指標として有用な新たなバイオマーカーの検出を検討する。唾液内成分は血液内成分よりもその濃度が低い傾向にあるため、唾液の濃縮方法を検討した上で測定キットを用いて解析を進める。また、所属機関への研究倫理申請に向けて準備を進めている。唾液中バイオマーカーの測定経験が豊富な研究者を研究分担者に追加していることから、最終年度である2024年度も各種測定を加速させていく予定である。
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