研究課題/領域番号 |
22K11483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
桜井 智野風 桐蔭横浜大学, スポーツ科学研究科, 教授 (30235220)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 水素 / 骨格筋 / エネルギー代謝 / 身体運動 / エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
水素は臨床分野における治療薬としてさらに広がる可能性を秘めている。しかし、健康や運動への影響についての知見は数多くは存在せず、骨格筋をはじめとする各種器官における運動誘発性の酸化ストレス除去といった抗炎症分子として寄与することを示唆する報告がほとんどである。しかし、水素分子は細胞内ミトコンドリアにおいてエネルギー代謝に関与していることを考えると、運動による酸化ストレスやスポーツ傷害に対する効果的な物質であるだけでなく、運動パフォーマンスを改善する可能性をもつことが考えられる。本研究では、水素摂取がエネルギー供給、疲労軽減等に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
近年,水素は臨床分野における治療薬として,抗酸化,抗炎症,抗アポトーシス作用等が実証されており,臨床医学への応用はさらに広がる可能性を秘めている.しかし,健康や運動への影響についての知見は数多くは存在せず,骨格筋をはじめとする各種器官における運動誘発性の酸化ストレス除去といった抗炎症分子として寄与することを示唆する報告がほとんどである.しかし,水素分子は細胞内ミトコンドリアにおいてエネルギー代謝に関与していることを考えると,運動による酸化ストレスやスポーツ傷害に対する効果的な物質であるだけでなく,運動パフォーマンスを改善する可能性をもつことが考えられる.本研究では,水 素摂取がエネルギー供給,疲労軽減等に及ぼす影響を明らかにし,水素摂取がスポーツ科学分野における効果的な戦略手段となるかどうかを検討する. 実験は動物を用いた基礎実験と,ヒトを用いた応用実験に大別される.実験動物としてWistar系雌性ラットを用いる.生活環境設定として水素暴露環境群とコントロール群を作成し,各群ともにランニング運動負荷前後の筋組織内の各種生成物質を測定する. ヒトを対象とした実験も同様に急性の水素吸入群とコントロール群とし,両群とも自転車エルゴメータによる運動負荷を前後の呼気ガス採取によるエネルギー代謝と自覚的疲労度の測定をう. 現在、ヒトおよび実験動物を対象として,運動前後の水素環境暴露もしくは急性の水素吸入により,細胞内産生物質および情報伝達経路や呼気ガス構成成分の変化を測定することで,身体活動によるエネルギー供給,疲労の軽減といった運動全般に関与する水素の効果を明らかにすべく研究を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットを対象に,運動前の水素ガス吸引が筋内でのエネルギー物質であるアデノシン三リン酸(ATP)の生産にどのような影響を及ぼすのかを検討する. 対象はWistarラット(9週齢)を,コントロール群(CON),ランニング群(EX),水素曝露群(H2),水素曝露ランニング群(H2+EX)の4群に分けた.麻酔下で腓腹筋(Gas),前脛骨筋(TA),ヒラメ筋(Sol)を採取し,ATP濃度,カタラーゼ活性,8-OHdG濃度を測定した. 速筋線維を多く含むTAのATP濃度は,H2がCONより高値であり(p<.05),H2+EXはEXより高値であった(p<.05). EX群のカタラーゼ活性は,ランニング運動によって上昇した.筋内8-OHdGは,Solにおいては,EX群とH2+EX群に差異は見られなかったが,TAではEX群がH2+EX群に比べて高値を示した(p<.05). 水素ガス吸入によりATP産生量の減少が抑制されたことから,水素ガス吸引は運動中の骨格筋のエネルギー代謝に影響を与え,活性酸素を消去してミトコンドリアを保護する可能性が示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
水素ガス吸入によりATP産生量の減少が抑制されたことから,水素ガス吸引は運動中の骨格筋のエネルギー代謝に影響を与え,活性酸素を消去してミトコンドリアを保護する可能性が示唆された.水素ガスの活性酸素発生抑制作用は, 抗酸化作用やミトコンドリアを含む細胞成分の保護作用に寄与し,筋のエネルギー生成を向上させる可能性があることが分かった. また,速筋は水素ガスの影響を受けやすく,瞬発力を必要とする筋活動への影響が期待できることを示唆している. 今後はヒトを対象とした実験に移行し,有酸素運動および無酸素運動における水素吸入の効果を検討していく予定である.
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