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種々のニューロモデュレーションを含んだ練習がスポーツスキルの運動学習に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K11504
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関東海大学

研究代表者

山田 洋  東海大学, 体育学部, 教授 (30372949)

研究分担者 金子 文成  東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (00344200)
田中 彰吾  東海大学, 文化社会学部, 教授 (40408018)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード非侵襲的脳幹賦活 / 迷走神経 / 身体知 / モーションキャプチャシステム / 感覚入力-出力系 / ヘッドマウントディスプレイ / 固有受容器 / 一人称映像 / 仮想現実 / 運動イメージ / 筋電図 / モーションキャプチャ / 感覚運動学習 / バイオメカニクス / コーチング
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、種々のニューロモデュレーションを含んだ練習がスポーツスキルの運動学習に与える効果を検討することである。感覚入力-出力系へのニューロモデュレーションとして、1.仮想現実空間内における一人称的運動観察と筋感覚運動イメージ想起を併用した練習を実施する運動イメージ想起課題(主に視覚野、第一次運動野への働きかけ)、2.通常の練習に非侵襲的な迷走神経への経皮的電気刺激を加えた練習を実施する非侵襲的脳幹賦活課題(主に脳幹、自律神経系への働きかけ)を設定する。本研究の仮説は、「ニューロモデュレーションを含んだ練習をした群は、しない群と比較して運動学習の効果がより早く大きくなる」である。

研究実績の概要

本研究の目的は、種々のニューロモデュレーションを含んだ練習がスポーツスキルの運動学習に与える効果を検討することである。感覚入力-出力系へのニューロモデュレーションとして、1.仮想現実空間内における一人称的運動観察と筋感覚運動イメージ想起を併用した練習を実施する運動イメージ想起課題(主に視覚野、第一次運動野への働きかけ)、2.通常の練習に非侵襲的な迷走神経への経皮的電気刺激(Transcutaneous Vagus Nerve Stimulation: tVNS)を加えた練習を実施する非侵襲的脳幹賦活課題(主に脳幹、自律神経系への働きかけ)を設定する。本研究の仮説は、「ニューロモデュレーションを含んだ練習をした群は、しない群と比較して運動学習の効果がより早く大きくなる」である。課題1は、サッカーのボールジャグリングを対象として、課題2は、バドミントンのサーブを対象として介入練習を行い、練習の効果を検討しつつ、全ての練習期間の前後でパフォーマンス評価、バイオメカニクス・生理学的検証、および心理学・哲学的検証を行う。
これまでに我々は、サッカーボールジャグリング、バドミントンバックハンドストロークを対象に、バイオメカニクス的手法を用いて、スキルの評価方法を確立している。サッカーのボールジャグリングについては、通常の練習に一人称映像および三人称映像を用いた映像フィードバックを組み合わせた練習を行わせ、前者の練習法がパフォーマンスを向上させることを見出している。バドミントンバックハンドストローク時に適用する非侵襲的脳幹賦活課題については、迷走神経刺激の有用性を検討するために予備実験を繰り返し実施し、手法の確立を試みている。さらに、上肢の微細なコントロールと集中力を必要とする新たな運動への適用についても予備実験を繰り返し、こちらに対する介入実験の準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請課題の倫理審査については、所属機関である「東海大学『人を対象とする研究』に関する倫理委員会」の承認を得ている(承認番号23087)。
課題1のサッカーのボールジャグリングについては、これまでの研究において、そのスキルの評価方法を提案している(佐藤ら, 2021)。並行して、バレーボールのオーバーハンドパス(Ozawa et al., 2022)、野球捕手のキャッチング(澤井ら, 2023)、ピッチング(山田ら, 2023)をはじめとする「巧みさ」を必要とするスポーツ動作についての研究を行い、スポーツスキルの運動学習を評価するための課題、およびその評価方法は確立されている。介入となる「仮想現実空間内における一人称的運動観察と筋感覚運動イメージ想起を併用した練習」については、ヘッドマウントディスプレイを用いた一人称的運動観察を組み込んだ練習を行わせて、バレーボールのオーバーハンドパスのスキル・習熟度について検討を行い、運動イメージが向上するという結果を得ることができた。さらにサッカーのボールジャグリングについても同様の検討を行い、介入によりパフォーマンス(持続回数)が向上するという知見を得ている。
課題2に関しては、バドミントンのバックハンドストロークについて、その動きや操作特性に焦点を当ててバイオメカニクス的な検討を繰り返し実施し、努力度や習熟度の違いがシャトルの速度や正確性に与える影響や、それらを生み出す新たな生理学的・神経科学的な知見を得ている(清水ら, 2023)。介入となる「通常の練習に非侵襲的な迷走神経への経皮的電気刺激を加えた練習」については、専用装置(経皮的耳介迷走神経刺激装置MODEL0125, ミユキ技研社製)を用いた予備実験を実施し、心拍数や脳活動に対する効果についてデータを採取・分析し、介入実験へ取り入れる準備をしている。

今後の研究の推進方策

課題1は、サッカーのボールジャグリングを対象とした一人称的運動観察を組み込んだ練習の効果を確認している。今後はこのデータをまとめ、研究成果を発信していく。課題2は、バドミントンのバックハンドストロークへの介入実験を進めていく。三年目の最終年度となる今年度は、課題1、課題2ともに実験を一通り終えて、研究成果の公表へ繋げていきたい。
課題1に関しては、これまで得られたデータをまとめるとともに、併せて、中期、長期の介入実験についても検討していく。「仮想現実空間内における一人称的運動観察と筋感覚運動イメージ想起を併用した練習」について、研究計画においては電気刺激による筋への刺激を考えていたが、実際のスポーツ場面を想定して、別の刺激についても検討する。前述のサッカーのボールジャグリングにおける実験において、映像に併せて検者が被験者の足にボールを当てていたが、今後はこちらも実施しつつ、固有時受容器に働きかけ、筋感覚フィードバックと視覚フィードバックを組み合わせるような、スポーツの実践に即した新たなフィードバックについても開発を進める。
課題2に関しては、バドミントンバックハンドストローク中に、tVNSを適用する練習方法を確立して、最終実験を実施する。着座させた被験者に、バドミントンのサーブを模した設定で、ターゲットとなるカゴにシャトルを打ち込むプロトコールを用いる。ランダムにtVNS、Sham-tVNS群(偽tVNS群)の2群に振り分けた被験者に対し、パフォーマンス(平均的当て回数)を基に練習効果(運動習熟)について検討する。手法の即時効果について、次いで、中期、長期の介入実験についても検討していく。並行して、検証実験として、上肢の微細なコントロールと集中力を必要とする新たな運動への本手法の適用し、tVNS中に脳波・心拍数を測定して、tVNSの効果および精度の検証を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (22件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 大学野球投手のピッチングにおける投球数がパフォーマンスおよび生理心理機能・体力・動作に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      Yamada Hiroshi、Ogawara Keita、Uchiyama Shuichi、Ito Eiji、Miyazaki Michinori、Miyazaki Seiji
    • 雑誌名

      体力科学

      巻: 72 号: 3 ページ: 201-213

    • DOI

      10.7600/jspfsm.72.201

    • ISSN
      0039-906X, 1881-4751
    • 年月日
      2023-06-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 野球捕手の捕球時におけるミット制御2023

    • 著者名/発表者名
      澤井拓実 ,山田洋 ,小河原慶太,宮崎誠司,伊藤栄治
    • 雑誌名

      バイオメカニズム

      巻: 26 ページ: 127-136

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Speed Accuracy Trade Off からみたバドミントンバックハンドドライブの技術特性2023

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥, 山田洋, 植村隆志, 伊藤栄治, 八田有洋
    • 雑誌名

      バイオメカニズム

      巻: 26 ページ: 137-148

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Biomechanical analysis of distance adjustment in volleyball overhead pass2022

    • 著者名/発表者名
      Ozawa, Y., Yamada, H., Ozawa, S., Vogt, T., & Kanosue, K.
    • 雑誌名

      Sports Biomechanics

      巻: - 号: 2 ページ: 1-18

    • DOI

      10.1080/14763141.2022.2125427

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 走法の違いが方向転換能力に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      山田洋,内山秀一,高野進,木村季由,八百則和,長尾秀行,青木真理子,塩崎知美,小河原慶太,宮崎誠司
    • 雑誌名

      東海大学スポーツ医科学雑誌

      巻: 35 ページ: 17-24

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] バドミントン熟練者と非熟練者におけるバックハンドドライブ中の上肢運動の相違2023

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,山田洋,小澤悠,宮﨑誠司.
    • 学会等名
      第30回よこはまスポーツ整形外科フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effects of immediate feedback on tackle technique in rugby using 3-dimensional motion analysis: A case study.2023

    • 著者名/発表者名
      Norikazu Y.,Shogo Y., MikiyaS., Hiroshi Y., Yuta K., Kazuho N., Hideyuki K.
    • 学会等名
      The 28th Annual Congress of the European College of Sport Science
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] The characteristics of distribution of volleyball passing for several distances2023

    • 著者名/発表者名
      Ozawa Y., Nakamura S., Yamada H., Miyazaki S.
    • 学会等名
      The 28th Annual Congress of the European College of Sport Science
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Changes muscle activity when manipulating the difficulty of the serve.2023

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke F. Yu O., Hiroshi Y.
    • 学会等名
      The 12th Asian-Pacific Conference on Biomechanics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Influence of subjective effort level on badminton shot accuracy and movement2023

    • 著者名/発表者名
      Shimizu M. Ozawa Y. and Yamada H.
    • 学会等名
      The 12th Asian-Pacific Conference on Biomechanics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 異なる熟練度の打動作における打球速度調節方略―バドミントンバックハンドドライブに着目して―2023

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,小澤悠,山田洋.
    • 学会等名
      第44回日本バイオメカニズム学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] バドミントンショットにおけるショット方向のばらつき2023

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,小澤悠,古屋良祐,山田洋.
    • 学会等名
      第6回身体科学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 熟練者と未熟練者におけるバックハンドドライブのショットパフォーマンスの比較2023

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,山田洋.
    • 学会等名
      第7回日本バドミントン学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The effect of maximum voluntary isometric contraction immediately before drop jump on jump performance2022

    • 著者名/発表者名
      Ino Taiki, Yamada Hiroshi, Ogawara Keita, Uchiyama Shuichi, Endo Shinya, Miyazaki Seiji.
    • 学会等名
      17th International Symposium of the 3-D Analysis of Human Movement (3D-AHM 2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Speed Accuracy Trade-Offからみたバドミントンバックハンドドライブの技術特性2022

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥, 山田洋, 植村隆志, 伊藤栄治, 八田有洋.
    • 学会等名
      第27回バイオメカニズムシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] スポーツバイオメカニクスにおけるデータ活用2022

    • 著者名/発表者名
      山田洋.
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第36回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 打球速度の異なるバックハンドドライブ時の上肢関節運動の違い2022

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,山田洋,植村隆志.
    • 学会等名
      日本バドミントン学会 第6回学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] バレーボール オーバーハンドパスの一人称視点映像がスポーツスキルに与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      大原瑞希,山田洋,眞城敬朋,高木陸,藤井壮浩.
    • 学会等名
      日本体育測定評価学会第22回大会・第5回身体科学研究会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] バレーボールのアンダーハンドパスにおけるパスのばらつき特性の分析2022

    • 著者名/発表者名
      小澤悠,中村駿太郎,山田洋,伊坂忠夫,宮崎誠司.
    • 学会等名
      日本体育測定評価学会第22回大会・第5回身体科学研究会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] バドミントン経験者と未経験者におけるバックハンドドライブの技術特性2022

    • 著者名/発表者名
      佐野大地,清水幹弥,榎木涼雅,花牟礼隆太,山田洋.
    • 学会等名
      日本体育測定評価学会第22回大会・第5回身体科学研究会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 異なる速度の打球の正確性  バドミントン競技バックハンドドライブを題材に2022

    • 著者名/発表者名
      清水幹弥,山田洋,植村隆志.
    • 学会等名
      日本体育測定評価学会第22回大会・第5回身体科学研究会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 即時フィードバックがパフォーマンスにどのように影響するか  ラグビータックル時の姿勢の変化に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      八百則和,山門翔悟,木村季由,山田洋.
    • 学会等名
      日本体育測定評価学会第22回大会・第5回身体科学研究会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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