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大学期の自己調整学習を通じた顕著な競技力向上経験が卒業後のキャリアに及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K11512
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関京都先端科学大学

研究代表者

束原 文郎  京都先端科学大学, 健康医療学部, 准教授 (50453246)

研究分担者 前田 奎  京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (00846686)
鈴木 楓太  京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (30759494)
村川 大輔  京都先端科学大学, 健康医療学部, 特任講師 (60909141)
松木 優也  天理大学, 体育学部, 講師 (80580232)
梶田 和宏  京都先端科学大学, 健康医療学部, 嘱託講師 (60848521)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード学生アスリート / 顕著な競技力向上経験 / 大学期 / 自己調整学習 / 社会文脈 / 大学スポーツ / 競技力向上経験 / キャリア形成
研究開始時の研究の概要

「大学スポーツ」という制度には,競技を通じた科学的試行錯誤の場となることを通じて高等教育の効果を高めるという社会的期待が込められています.しかし,これまでの大学スポーツの教育効果やキャリア形成への影響に関する研究は,組織に所属することによる社会性 (ライフスキル) の発達,社会関係資本 (OB・OGネットワーク) の獲得をその主な要因として捉えるに留まり,競技力の向上それ自体の影響を分析せずにきました.本研究は,「自己調整学習」の理論から大学期における顕著な熟達経験の実際およびプロセスを客観的に評価し,そうした顕著な競技力向上経験が卒業後のキャリアに及ぼす影響を明らかにすることを企図します.

研究実績の概要

23年度は特に,学生アスリートの競技への取り組み方を評価し,就職状況との関連を検討することを企図したアンケート調査の分析,執筆,投稿までを行った.
体育会学生限定のキャリアイベントに参加した学生アスリート(2023年3月卒生)を対象にウェブアンケート調査(オプトアウト方式)を実施し,15,643人から回答を得た.内定報告を行った学部生3,327人を人気企業ランキングTop 300社からの内定と特定できなかったY群2,662人と,人気企業ランキングTop 300社からの内定と特定できたZ群665人に分け,目的変数とした.
競技への取り組み方は,①スポーツ版自己調整学習尺度およびライフスキル尺度から任意の19項目(4件法)を設定し,②回答傾向の因子分析によって7因子の因子得点を得,③得られた因子得点を用いて階層クラスタ分析を行い,学生アスリートを競技への取組み方によって5つパターンに分類した.得られた5類型がY群 / Z群の分布とどのような関係にあるか,クロス集計および他の説明変数を加えた二項ロジスティック回帰分析を行った.
主な結果として,(a) 女性は人気企業への就職率が低い.(b) 大学威信ランクは男女とも人気企業への就職率に支配的な影響を及ぼす.(c) スポーツ推薦は他の入学方法と比べて人気企業への就職率が低い.(d) GPAが良いと人気企業への就職率は高まる.(e) 最高競技成績や部内競技力は,人気企業への就職率とほとんど関連しない.(f)「チームスポーツ」部であることは,人気企業への就職率を高め,この傾向は男性でより顕著である,(g) 競技への取り組み方は他の変数を統制しても人気企業への就職率に影響を与える,ことがわかった.
大学の体育会活動において合理的なトレーニングを追求し,効率的に競技レベルを高める経験は,キャリア形成上も望ましいということが,統計的に確かめられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終年度に行う予定でいた大規模な量的調査を先に終えることができた.あとは現在進めているインタビュー調査をなるべく多く,スムーズに進めること,アウトプットをまとめることに注力できるようになった.

今後の研究の推進方策

昨年度は大規模アンケート調査を終え,論文も投稿し終えたことで,最終的なアウトプットのイメージおよぎそこまでのプロセスのイメージはできた.24年度は可能な限り多くの元学生アスリートに協力いただき,質的調査を重ねること,また,研究会や学会での報告を重ねてまとめていくことに注力する.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] University of California Los Angels/California State University East Bay(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of California Los Angels(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 図書解題:Aaron Miller 著,『Buying in: <i>Big-Time Women&apos;s College Basketball and the Future of College Sports</i>』2024

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 雑誌名

      スポーツ産業学研究

      巻: 34 号: 1 ページ: 1_45-1_49

    • DOI

      10.5997/sposun.34.1_45

    • ISSN
      1343-0688, 1884-2534
    • 年月日
      2024-01-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 束原文郎(2024)書評に応えて(小野雄大「書評 束原文郎『就職と体育会系神話 ―大学・スポーツ・企業の社会学―』」).2024

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 雑誌名

      スポーツ社会学研究

      巻: 32(1) ページ: 129-131

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 体育会学生の人気企業への内定と学業および競技のパフォーマンスの関連†2022

    • 著者名/発表者名
      石川 勝彦, 束原 文郎, 舟橋 弘晃, 横田 匡俊, 澤井 和彦, 長倉 富貴, 中村 祐介, 岡本 円香
    • 雑誌名

      スポーツ産業学研究

      巻: 32 号: 2 ページ: 2_207-2_215

    • DOI

      10.5997/sposun.32.2_207

    • ISSN
      1343-0688, 1884-2534
    • 年月日
      2022-04-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 体育会系神話の歴史と現在 ― コロナ禍にみる変化の兆し2022

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 742 ページ: 48-63

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 学生アスリートの競技への取り組み方は人気企業からの内定獲得に影響するか?2023

    • 著者名/発表者名
      束原文郎,横田匡俊
    • 学会等名
      第73回日本体育・スポーツ・健康学会(体育社会学専門領域)@同志社大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 1940年前後の満洲における「企業スポーツ」―昭和製鋼所の事例―2023

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 学会等名
      日本体育社会学会 第1回大会@立教大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 学生アスリートの競技への取り組み方と就職2023

    • 著者名/発表者名
      束原文郎,石川勝彦,横田匡俊,幸野邦男
    • 学会等名
      日本スポーツ産業学会 第32回大会@山梨学院大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 図書解題: Aaron Miller 著,Buying in: Big-Time Women's College Basketball and the Future of College Sports2023

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 学会等名
      日本スポーツ社会学会 第32回大会 単独口頭発表、3/17、中京大学豊田キャンパス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 大学期の「顕著な競技力向上経験」をいかに記述するか? / Ηow to describe "remarkable improvement experience in athletic performance" during the college years?2023

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 学会等名
      京都先端科学大学 「研究の絆」シンポジウム ー研究交流会ー 単独ポスター発表、3/1、京都先端科学大学太秦キャンパス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「コロナ禍にみる「体育会系神話」の変化」2022

    • 著者名/発表者名
      束原 文郎
    • 学会等名
      日本スポーツ産業学会 第31回大会、単独口頭発表、7/9、帝京大学八王子キャンパス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] コーチング概論2024

    • 著者名/発表者名
      尾縣貢・広瀬健一[編著],朝倉 雅史・大山 卞 圭悟・景行 崇文・白木 駿佑・鈴木 楓太・髙尾 尚平・束原 文郎・永野 翔大・中山 紗織・前田 奎・松竹 貴大・水島 淳・門馬 怜子・山元 康平[著]
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      みらい
    • ISBN
      9784860156237
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代社会とスポーツの社会学2022

    • 著者名/発表者名
      高峰 修,岡本純也,千葉直樹,束原文郎,横田匡俊[編著]
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      杏林書院
    • ISBN
      9784764415973
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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