研究課題/領域番号 |
22K11517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
安陪 大治郎 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 准教授 (10368821)
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研究分担者 |
堀内 雅弘 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50310115)
本山 清喬 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教 (80824903)
齋藤 輝 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教 (90758591)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歩行 / 歩容変動 / 加齢 / 動的安定性 / 運動習慣 / 転倒 / 経済速度 / バイオメカニクス / 歩容調整 / 動的平衡 / 運動視差 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者や術後患者に見られる歩行機能の低下や転倒リスクの増大は、健常者でも中年期にその予兆が顕在化することがあり、これが歩容調整能力の低下や転倒骨折事故の頻発と関連する。本研究では下肢3関節の統合制御(PCL)を応用して、歩容調整能力を定量評価する方法の妥当性と限界を検討し、歩容調整に関わる人-生活環境の相互作用を明らかにする。特にハイヒール着用、スマホ歩き、加齢、運動不足、錯視など日常生活における歩容調節機能に悪影響を与え得る要因が下肢の統合制御に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
歩行中の下肢関節角度(股-膝-足)は各々が独立して変動しているように見えるが、三次元プロットすると一平面で近似できる。これは下肢3関節が鉛直方向に統合制御されていることを意味し、Planar Covariation Law(PCL)と呼ばれている。これは脊髄に分散するセントラル・パターン・ジェネレータに制御されており、歩容の安定性に強く関与している。ところが、近年の研究で躓きや障害物回避など幾つかの条件が揃うとPCL平面に歪みが発生することが分かってきた。 R4年度は加齢と運動習慣が歩容安定性に及ぼす影響を検討するため、若年鍛錬者、若年非鍛錬者、高齢鍛錬者を対象に正弦波状に歩行速度が変動する条件(=連続過渡応答条件)で歩容変動を比較した。PCL平面の歪みを進行方向の歩容変動とし、速度変化の影響を受けにくい歩隔変動率(%)を横方向(進行方向に対する直行軸)の歩容変動とした。これまでの先行研究では任意の定常速度で歩容変動を評価しているため、各々のデータを直接比較できなかったが正弦波速度変動条件ではその問題を回避できる。本年度は自由歩行速度を基準とした±2kmの速度振幅で30秒-60秒-120秒周期のPCL平面の歪みと歩隔変動率を比較検討した結果、PCL平面の歪みと歩隔変動率に周期依存性は見られなかった。また若年非鍛錬者の歩隔変動率が他群よりやや大きい傾向は見られたが、高齢鍛錬者群と若年鍛錬者群に統計的有意差は見られなかった。これらの結果は定期的な運動習慣によって高齢者でも歩行の安定性を若者と同程度に維持することが可能であることを意味している。言い方を変えると、若者でも運動習慣を持たない場合、高齢者レベルまで歩容の安定性が低下することが示された。 また、速度変動と歩幅-ステップ頻度の「位相差」と経済速度との関連性を示した論文が現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
主たる測定は動作力学解析で、被験者と験者が接触する測定を避けるようにしたのでコロナによる影響を受けにくかったことが挙げられる。これに加えて本学独自の論文投稿支援制度があることや、学内の書類作業は早くからデジタル化&押印省略を進めていたこと、更に学医を中心としたコロナ感染対策の徹底が奏功し、市内の同世代学生たちに比べて有意にコロナ罹患率が低かったことなどから授業や対策会議で忙殺されることもなく、研究活動に集中できたことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
データ量が莫大ではあるが、本年度で得られたノウハウを用いてハイヒールの形状による歩容安定性の評価を開始しており、査読結果待ちである。今後は論文投稿と査読対応を行っていくと同時に他の条件での実験的検証を進めていく。
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