研究課題/領域番号 |
22K11520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
長谷川 弓子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (20712871)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 閉鎖系技能 / 開放系技能 / 運動学習 / アドレス / アライメント / ゴルフパッティング / 正確性 / 閉鎖技能 / 注意 / 外乱 / 技能向上 / 学習法 / クローズドスキル / オープンスキル / 他者 / 運動協応パタン |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ技能は,動作開始前に外界情報を取り込み計画通り実行する閉鎖技能(例:陸上競技) と,周囲の情報を常に更新しながら自らも動く開放技能(例:サッカー) に分類され,各々の練習方法の性質は異なっている。とくに閉鎖型に分類される技能は,セルフペースの反復練習を行うのが常であるが,近年,他者の存在が1 人で行うターゲット追従課題の学習をより促進させるという報告がある。そこで本研究では,閉鎖型のスポーツ技能であっても開放型のように他者の存在を導入し,不確定性の高い環境下で学習することが,学習者の関節間の協応関係と道具の身体化の獲得を促すと考え研究を進める。
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研究実績の概要 |
本研究では,閉鎖型のスポーツ技能であっても開放型のように不確定性の高い環境下で学習することが,学習者の関節間の協応関係と道具の身体化の獲得を促すと考え研究を進めている。本研究の目的は,閉鎖型のゴルフパッティングの学習に他者とのボールのやりとりという開放型の要素を導入する有効性を学習者の運動協応パタンの変容から明らかにすることである。 昨年度は春に実施した1つめの実験を実施し,得られたデータを解析した。本研究用に準備されたボール打ち出し器から打ち出されるボールを,参加者にはパターを使って受け止めてもらい,素早く標的に向かって打ち返す練習を実験群の練習として行ってもらった。一方,通常の練習を行ってもらう統制群も設けた。10 日間合計1080 球の練習の成果として,身体の向き,パターヘッドの運動学,最終的なボール位置の誤差について分析した。 本研究の特筆すべき点として,パッティング時の参加者の視線を評価するために,局所座標系を利用して点の動きを効率的に表現・推定する手法を提案した。 本研究では,実験群のアドレス時の身体の向きは統制群よりもより平行になること,実験群のボール停止位置は統制群のそれらよりも標的に近いという仮説を立てていた。 しかし,そのような結果は得られなかった。 さらに,実験群の参加者のうち 1 人が,アドレス時に上半身と下半身がねじれてしまっていたことが判り,これは転がるボールを捉える実験群の練習のデメリットと考えられた。 一方,ゴルフ初心者のアライメントがどの程度で安定するかなどの学習過程を観察することができ,またボール停止位置の誤差が0.3 m 以内に留まるために必要な練習数などを明らかにすることができた。いずれにせよ,オープンスキルの要素をクローズドスキルに取り入れることが適切かどうかをこの研究結果だけで判断することはできず,現在新たな課題の実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つめの実験結果をまとめることができ,2つ目の実験を実施・解析し,現在3つめの実験にとりかかることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った2つの実験の結果から,3つ目の実験の課題制約をうまく設定することが重要である。
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