研究課題/領域番号 |
22K11553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
井村 祥子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (30586699)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 回転運動 / コンピュータシミュレーション / クラシックバレエ / バランス / 動力学的分析 / 角運動量 / 摩擦係数 / シミュレーション / 回転動作 / 摩擦 |
研究開始時の研究の概要 |
西洋舞踊や器械体操などに見られる回転動作では,体肢を大きく動かしながら床の滑り易さを察知し,狭い支持面でバランスを維持する.床との摩擦が小さいと身体の傾きが僅かでも転倒する.バランス制御における床の滑り易さは,摩擦を自由に調整できるコンピュータシミュレーションでの検討が有用である.本研究では摩擦の影響を考慮した回転動作のシミュレーションモデルを構築し,床の滑り易さに応じた関節力学の調整法を調べる.バレエの回転動作について全身の運動方程式をたて,床反力と摩擦による回転作用を模したアルゴリズムを作成し運動をシミュレーションする.摩擦係数の変化に応じた重心位置の調整について関節力学を調べて解明する.
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研究実績の概要 |
23年度はピルエットの全身モデルの作成に注力した。ピルエットで3回転を行ったダンサーのモーションキャプチャーデータを参照し、全身を17セグメント(頭部・上胴・下胴、上腕・前腕・手、大腿・下腿・足・爪先)に分けモデル化した。床反力は、足部に貼付したマーカーの動きを参照し、それぞれの位置に粘弾性バネを仮定して入力した。 年度上半期は足部を爪先部とそれ以外の部分に分けずにシミュレーションを行い、その成果を国際学会で発表した。下半期は足部を爪先部とそれ以外の部分に分け、床反力データの入力をさらに詳細にして検討した。 上半期のモデルでは、床の滑りやすさと同義である動的・及び静的摩擦係数を変化させた場合に、下肢各関節角度をどのように変化させて3回転を成立させるかを検討した。その結果、摩擦係数が小さい滑りやすい床では回転前に主に屈伸運動が深い試行では3回転が成立していた。 下半期のモデルでは、1.5回転までのピルエットは成功した。上半期のモデルに比べて爪先部のマーカー位置が足の後部と分離して動くため、床反力をより実験データに近づけることができた。しかし参照元の実験データ同様に3回転を行えるモデルは完成していない。 1.5回転までのピルエットは、試行時間中に実験データよりもバランスが崩れることはないが、バランスを保ったまま回転が止まってしまう。これは初期に獲得する角運動量が小さいことが原因であると考えられる。角運動量は床と足との摩擦力を利用して、回転前に全身に外力を作用させて獲得する。摩擦力は垂直抗力の大きさに依存しているため、摩擦力が小さくなる状況を改善する必要がある。摩擦係数を調整する以外に、床反力を実験データよりも少し大きめに設定するという工夫も試みる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上半期のモデルでは実験データに近い力学入力を果たせなかったため、モデルの改変を行った。このことにより、多くの時間を割いてきた粘弾性バネ係数を再び検討することになり、二倍の時間を必要としている。ただし、モデルを改変したことにより、床反力データ及びその圧力中心位置もより実験データに近づけることができた。このため、今後計画している関節運動動力学データの計算において実験データにより近い結果がでることが期待でき、結果的にはより良い成果につながると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き足部を爪先部と後足部に分けたモデルで展開していくが、床反力データを模すための粘弾性バネの想定位置を爪先部に一つ増やすことを考えている。理由は、実際の試行を改めて確認したところ、爪先立ち時に足部が底屈位にありながら外転位にあるため、他のスポーツでの足の使い方と異なり、爪先部の接地部位がかなり限局的になっていることが予想されるためである。 このため、現在のデータで計算が間に合わないようであれば新たに実験を行い、モデルを完成させていく予定である。
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