研究課題/領域番号 |
22K11561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鯉川 なつえ 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70338424)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Fat free mass index / 女性アスリート / Female athlete triad / Fat Free Mass index / 除脂肪体重指数 / Female Athlete Triad / Fat-Free Mass index |
研究開始時の研究の概要 |
近年、除脂肪量(Fat Free Mass ; FFM)は体格や競技種目によって大きく異なるため、身長を考慮し、FFM÷身長の二乗で表される除脂肪指数(Fat-Free Mass index; FFMI)が研究されている。FFMIは女性アスリートにとって骨密度との相関が高く、怪我のリスクと関連することからパフォーマンスに大きな影響を与える。しかし、Female Athlete Triad(FAT)との関連は明らかにされていない。 そこで本研究は女性アスリートのFFMIの標準値を明らかにし、FFMIとFATのリスクとの関連性を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
アスリートの体格の評価は、一般人と同様に体重を身長の二乗で除して計算するBody Mass Index(BMI)が多く用いられている。しかし、アスリートにとって除脂肪量(Fat Free Mass ; FFM)は、骨密度との相関が高く、怪我のリスクと関連することから、パフォーマンスに大きな影響を与える。FFMは、体重から体脂肪のみを除いた部分(主に骨、筋肉、内臓、血液など)の重量であることから、ほとんどの種目において多い方が有利であると考えられる。しかし、FFMは体格や競技種目によって大きく異なる。そのため近年では、身長を考慮し、FFMを身長の二乗で除して表される、除脂肪指数(Fat-Free Mass index; FFMI)が研究されている。 FFMIとは、身長を考慮したFFMの指標であるため、体格や競技種目を考慮したFFMをあらわすことができる。そのため、アスリート個人の運動能力の評価だけではなく、機能的な身体の構成とさらなるFFMの増加のための能力の識別など、アスリートの競技力向上のための幅広い応用が可能であることが示唆されている。しかし、日本人女性アスリートのFFMIはほとんど報告がなく、標準値も明らかにされていない。 そこで本研究は、女性アスリートのFFMIの標準値を明らかにし、さらにFFMIとFATのリスクとの関連性を解明することを目的とした。 複数種目における女性アスリート約155名を対象に、DEXAを用いて骨密度および体組成を測定し、同時にFATを同定するためのアンケート調査を実施した。さらに長距離ランナーは、横断的にDEXA測定、血液検査および活動調査等を実施し、シーズンによるFFMIの変化について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年前半は継続的に複数種目の女性アスリートの測定を実施した。そして、9種目(陸上長距離、投擲、跳躍、短距離、体操、水泳、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール)155名のFFMIデータをすべて分析した。その結果、FFMIとLow energy availability、定期的な月経および疲労骨折の回数に有意な相関がみられた。これらの結果を、11月におこなわれた日本臨床スポーツ医学会にて口頭発表をおこなった。また、長距離ランナーのシーズンの違いによる縦断的研究データの収集を予定通りおこなうことができた。そのデータに関して、2024年1月に卓越した米国研究者とディスカッションを行う予定であったが、諸事情により渡米できなかった。なお、数名の非運動群(一般女子大学生)の測定を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、非運動群(一般女子大学生)の測定に注力する。すでにボランティアの募集を終え、現在40名ほどが協力してくれる予定である。夏休みに入る前までには、すべての測定を実施すべく、現在調整中である。また、「女子長距離ランナーの測定」が終了しており、データの分析に入っている。これらの結果をまとめ、11月の学会にて発表したいと考えている。そして、日本人女性アスリートのFFMIデータに関して、2025年1月頃に同研究に卓越した米国研究者とディスカッションを行えるよう、調整したい。
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