研究課題/領域番号 |
22K11572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
小柳 えり 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50804647)
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研究分担者 |
矢野 博己 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20248272)
青木 孝文 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (30782239)
三宅 沙知 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (80633859)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | うつ様・不安様行動 / 自発運動 / 社会的敗北ストレス / 腸内細菌叢 / 行動変容 / 自発運動習慣 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的規模で蔓延する新型コロナウイルス感染症により、その対策の基本とされる不要不急の外出自粛が人々の生活を激変させている。健康で幸せな生活を維持する上で、運動・身体活動は欠かせないものであることは周知の事実であり、コロナ禍の外出自粛は、今後さらに健康を脅かす可能性が高い。社会からの孤立により生じるうつ様不安症状に対して、改めて運動習慣の意義を強く見出せるものと考える。 本研究は、ストレス社会で生きる現代人の気分障害に対する運動の効果を2つの視点、1)腸内細菌叢を介した運動の予防効果、2)腸内細菌叢を介さない運動の独立した効果の両方から、SDSモデルマウスを用いて検討する。
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研究実績の概要 |
世界的規模で蔓延する新型コロナウイルス感染症により、その蔓延防止対策の基本とされる不要不急の外出自粛が人々の生活を激変させている。健康で幸せな生活をするうえで運動・身体活動は欠かせないことは周知の事実であるが、外出自粛は今後さらに健康を脅かす可能性が高い。社会からの孤立により生じたうつ様不安症状に対して、改めて運動習慣の意義を強く見いだせるものと考える。 本研究では、気分障害に対する運動の効果を2つの視点1)腸内細菌叢を介した運動の予防効果、2)腸内細菌叢を介さない運動の独立した効果の両面から明らかにすることとし、社会的敗北ストレス(Social Defeat Stress: SDS)モデルマウスのうつ様及び不安行動評価と自発運動マウスの行動評価、脳内遺伝子発現、腸内細菌叢解析を実施している。これまで実験動物にはC57/BL6雄マウスを使用し、ランダムに安静および自発運動を10週間負荷を行った。その後、SDSを負荷し、行動観察を行った。その結果、SDS負荷マウスのうつ様及び不安行動は、シュークロース嗜好性テストおよび社交性テストで低下することが観察されたものの、あらかじめ自発運動を負荷した運動習慣を有するマウスでは同様のストレス後においてもストレス耐性を示す個体が多く、ストレス耐性を示した。腸内細菌叢の変化については、ストレスおよび自発運動負荷による腸内細菌叢の変化が観察され、大変興味深いことにセロトニン代謝に関わる腸内細菌の変化が観察された。 そこで、本年度は運動したマウスの腸内細菌叢を移植されたレシピエントマウスのストレス反応としてうつ様行動の予防効果が観察されるか否か検討を行った。その結果、レシピエントマウスのうつ様行動の軽減や改善は観察されなかった。したがって運動負荷したマウスの腸内細菌叢そのもののみではうつ様行動の予防効果は生じない可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験動物の飼育スペースの問題で若干、研究のスケジュールは遅れている。しかし、次年度は確実に腸内細菌叢の解析まで行える準備が整っており、計画していた分析を遂行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究については、運動したマウスの腸内細菌叢の移植された個体(レシピエントマウス)のストレス反応としてみられるうつ様行動に影響について実験を行い、サンプリングまで終了し、順次、ターゲットとしている行動関連因子についての分析を進めている。SDSマウスおよび自発運動負荷マウスの腸内細菌叢の変化についての解析は、糞便中細菌DNA抽出を終え、現在次世代シークエンス解析の準備を進めている。また糞便移植による、レシピエントマウスの表現型の変化についても解析を終え、一定の解釈ができる分析データがそろった。腸内細菌叢の分析については、飼育スペースの関係でサンプリングを行う個体数の確保が遅れたため、若干スケジュールは遅れてた。現段階では計画していた個体のサンプル準備が整ったので、順次進めていく。行動に影響するとされる中枢の因子の遺伝子発現に加えて免疫系の関与についても測定を行うことを予定している。
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