研究課題/領域番号 |
22K11574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
寒川 美奈 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (40360953)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ウォームアップ / ダイナミックストレッチング / 寒冷 / 力学的特性 / パフォーマンス / 寒冷環境 |
研究開始時の研究の概要 |
寒冷環境での傷害予防や運動能力向上には,筋腱伸張性や収縮特性を低下させないことが重要である。本研究は,関節可動域全体を律動的に反復するダイナミックストレッチングが,筋腱伸張性や収縮特性を示す力学的特性へ与える効果を明らかにする。その上で,寒冷環境(10℃)および常温環境(25℃)での効果の差異検証を行い,寒冷環境でのダイナミックストレッチングによる至適ウォームアッププログラムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
ウォームアップは,スポーツ実施前に広く行われている運動である。ウォームアップによる筋温の増大効果は,筋腱伸張性を向上させると考えられている。また,ウォームアップでよく行われているダイナミックストレッチングは,関節可動域全域を自ら反復して動かすことで筋腱伸張性の改善効果を有するとともに,運動パフォーマンスに対する向上効果はこれまでに多く報告がみられている。しかしながら,ウォームアップにおけるダイナミックストレッチングの筋腱力学的特性への至適プロトコルの検証や,寒冷刺激による筋温変化と筋腱力学的特性へ及ぼす影響に関しては,これまでに十分な見解がまだ得られていない。そこで令和5年度は,前年度に引き続きダイナミックストレッチングの筋腱力学的特性を向上させる至適プロトコルの検証とともに,足関節底屈筋を対象筋として寒冷刺激実施による筋腱力学的特性へ与える効果について検証した。結果として,ダイナミックストレッチングはランニングによる有酸素運動後に実施することで,パフォーマンスの向上効果をより持続させる効果が明らかとなり,ダイナミックストレッチングの有用性を示すことができた。また,足関節底屈筋への寒冷刺激の実施によって,筋腱力学的特性評価の指標である筋収縮特性の低下が示され,筋の冷却は筋パフォーマンスを低下させることが明らかになった。以上の研究成果は,次年度に開催予定の国内国際学会において報告するとともに,国際学術雑誌への論文投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度予定していた研究はほぼ測定を終えており,概ね予定通り進めることはできている。しかしながら,年度末に測定を実施していたためデータ解析は少し遅れている状況である。現在までに,ダイナミックストレッチングの有用性についての検証は進めることができており,筋腱力学的特性とパフォーマンスの改善効果を示すことができた。また,筋への冷却による影響に関しては,筋収縮特性の低下を明らかにした。これらの成果の一部は次年度開催の国内および国際学会にて発表予定であり,論文の国際学術雑誌への投稿を準備している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度および今年度の研究により,ウォームアップにおけるダイナミックストレッチングの筋腱力学的特性およびパフォーマンスへの至適プロトコルに関しては概ね整理することができたと考えている。また,足関節底屈筋を対象筋とした寒冷刺激による筋収縮特性の変化から,筋パフォーマンスの低下を示すことができた。今後は,寒冷刺激下においてダイナミックストレッチング実施による筋腱力学的特性への効果を検証する予定である。
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