研究課題/領域番号 |
22K11588
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
内藤 耕三 創価大学, 教育学部, 教授 (10734824)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 野球 / 投動作 / 関節ストレス / 動作効率 / 動力学 / ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は野球の投動作における関節ストレスの発生機序を動力学的観点から明らかにすることを目的とする。この研究では、独自に開発した分析手法を用いて、投動作中のセグメントの運動と発生源(力やトルク)との因果関係を詳細に分析する。本研究を通し、どのような投球フォームが関節ストレスを軽減するかとの疑問にバイオメカニクスデータを用いて解答することが可能となる。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は野球の投球における関節ストレスの発生機序を動力学モデルを用いて詳細に特定することを目指している。一般に、投動作は複数の関節が運動に関与し、各関節運動はその力学的効果が相互に作用する複雑な運動である。加えて、投動作は典型的な3次元動作であるため、蝶番型の肘関節(腕尺関節)には屈曲伸展方向とは異なる方向に関節力が生じる。特に、前腕を外反させる効果(外反トルク)は大きく、肘関節の内側部に著しい肘関節ストレスが生じることが知られる。これらの機序を明らかにするため、セグメント運動間の力学的相互作用を定量化する分析手法が求められる。しかしながら、この分析には煩雑な計算がともなうため、セグメント間相互作用を分析するモデルは限られている。本研究課題は上記の観点に焦点をあて、研究を進めている。現在は研究代表者がすでに開発済みの分析モデルの改良を進めているところである。新たな分析手法の全体的な枠組みは完成しているものの、このモデルを通して大量のデータを扱うところまではいたっていない。したがって、本モデル(新たなモデル)を用いて外部の学術機関にて公表する段階までには至っていない。 当該期間において、研究代表者は所属機関の制度を利用し、在外研究活動を実施した。訪問したのはアリゾナ州立大学(ASU)である。訪問先の研究チームと共同し、データ計測に取り組んだ。この訪問は本研究課題に直結するもので、ASUの研究チームとともに野球の投球動作のデータ収集に取り組んだ。マーカーレスモーションキャプチャを用い、実践に近い運動様式で主に大学生投手のデータを取得した。今後は、開発した力学モデルを用いて、大学投手のパフォーマンスを対象に肘関節ストレスの発生機序を明らかにする計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
該当年度は、データ計測および分析モデルの開発を主な実行対象とした。この計画を実行すべく、研究代表者は在外研究活動先でデータ計測に取り組んだ。データ計測はおおむね順調に進行した。計測したデータを入手する必要があるが、これについては共同研究グループに手配中である。利用しているアプリケーションソフトのアップデートが必要であり、これを今後速やかに行う予定であるが、現状ではアップデートの実行前であるため、計測データの受け取りを待機している状況である。これが、やや計画の遅れありとする理由である。一方、分析モデルの開発であるが、これは当該年度において、当初の見込みを上回り、順調に開発が進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の計画であるが、計測したデータを分析モデルで処理することを見込んでいる。進捗状況に示す通り、利用するアプリケーションのアップデータを終えたのち、計測データを取得する。その後、開発済みのモデルで分析を進める。分析した結果から考察できることを焦点化し、学術論文での投稿につなげる予定である。国際誌での公表を見込んでおり、分析、考察、論文執筆、論文提出の工程を速やかにすすめる予定である。所属する学会では、2024年度の学会大会においてシンポジウムとして研究成果を発表することが決まっている。学術誌への投稿とあわせて、学会でのシンポジストや一般発表を通して研究成果を公表する予定でいる。
|