研究課題/領域番号 |
22K11589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小野寺 英孝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10449390)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | スポーツ関連脳震盪 / 頭部外傷 / 眼球運動 / スポーツ関連脳振盪 / コンタクトスポーツ / めまい / 脳振盪 / スポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ関連脳振盪(Sports Related Concussion)の障害程度を, 眼球運動で定量的に評価することである. 眼球運動の測定は非侵襲かつ短時間で施行可能な高分解能装置 (赤外線照射の反射光量で光学的に眼球運動測定)を用いる. この研究により, 従来自覚症状のみだった脳振盪症状を可視化でき, 1. 脳振盪の病因知見を得ること, 2. 脳振盪後の競技復帰の客観的指標を得ること, 3. コンタクトスポーツの安全性向上が可能となる. この研究は脳振盪後に生じる, 短期(学習障害や性格変化)と長期(認知機能低下や鬱)の後遺症状の予防につながることにより幅広い年齢層の健康に寄与するものである.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は, スポーツにおける脳振盪患者の眼球運動を測定し, 障害程度を定量的に評価する方法を明らかにすることである. 眼球運動の測定は非侵襲かつ高分解能な眼球運動測定装置 (赤外線照射の反射光量で光学的に眼球運動測定)を用いる. この研究により, 従来自覚症状のみだった脳振盪症状を可視化でき,脳振盪の病因知見を得ること, 脳振盪後の競技復帰の客観的指標を得ること, コンタクトスポーツの安全性向上が可能となる. 結果. 本研究で明らかになったことは①本方法での眼球運動測定で健常者よりも特異的な変化が観察できたこと(Rff15%以下) ②脳振盪症状の回復過程においてRffが改善し, 客観的で定量的な評価が可能となった. これらをもとに解析を加え、CTA5回復状況と眼球運動の回復がSCAT5内のどの評価項目と相関するかの知見をえた 最終的には, 眼球運動の障害は, 精神心理的障害よりも身体バランス障害との相関が強いことが明らかとなった. 誌上発表に至ったRecovery process for sportsrelatedconcussion assessed with precise ocular motility, Hidetaka Onodera et al., Sports Medicine International Open, DOI: 10.1055/a-2183-1077.これにより眼球運動による回復を促進する可能性を見出すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼球運動の測定は非侵襲かつ高分解能な眼球運動測定装置 (赤外線照射の反射光量で光学的に眼球運動測定)を用いる. この研究により, 現在脳振盪患者に対して, 眼球運動測定を施行した36名の解析を行なっている. SCAT5での回復状況と眼球運動の回復がSCAT5内のどの評価項目と相関するかの知見をえた 最終的には, 眼球運動の障害は, 精神心理的障害よりも身体バランス障害との相関が強いことが明らかとなり, 誌上発表に至ったRecovery process for sportsrelatedconcussion assessed with precise ocular motility, Hidetaka Onodera et al., Sports Medicine International Open, DOI: 10.1055/a-2183-1077.これにより眼球運動による回復を促進する可能性を見出すことができた.その他の項目についても解析検討を継続しつつ, 新規論文を執筆している. また新規患者データ収集を継続して行なっている.随時データ追加をしながら検討をおこなっている.
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今後の研究の推進方策 |
現在順調に症例登録を行えている. 現在のプロトコールでの症例蓄積を図り, 随時眼球運動による回復状態の可視化を明らかにしていく. またSCAT5の他項目についても解析検討を継続しつつ, 新規の知見を誌上発表する予定である.COVID-19による渡航自粛で国際学会での発表が難しい状況であったものの, 今後は発表を行うべく準備をしていく方針である. さらに本研究での内容を現場(ピッチサイドや土俵)で行うべく、外傷に限らず脳卒中の救急体制も参考にし知見を深めていく予定である.
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