研究課題/領域番号 |
22K11604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
関矢 寛史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40281159)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | スポーツパーソンシップ / インテグリティ / 達成志向性 / 行動規範 / 勝利至上主義 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、競技スポーツにおいてインテグリティ(高潔さ、健全さ)を脅かす問題が表面化している。規制や罰によってインテグリティの脅威を抑制する方法はあるが、インテグリティを促進する積極的なアプローチを増やすべきと考える。そのためには、何のために競技に取り組むのかという達成志向性が、競技者の行動規範にどのように関係しているのかを調べる必要がある。たとえば、勝利至上主義は反規範行動を増加させ、逆に成長志向性や親和志向性の高さは、規範的な行動を増やすことが予想される。望ましい行動規範を導くためには、どのような達成志向性を持つべきかを明らかにすることによって、インテグリティ教育に指針を示すことが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は競技スポーツにおける達成志向性と行動規範の関係を調べることである。そのために2022年度に行った研究1では、スポーツ競技者の行動規範を測るためのスポーツパーソンシップ尺度を作成した。国内の4年制大学53団体にオンライン調査への協力を依頼し、30競技種目に渡る488名(男性274名、女性211名、その他1名、回答しない2名)から有効回答を得た。既存の4つの行動規範尺度の質問項目に本研究独自の26項目を加えた計100項目を用意し、予備調査に基づき回答の偏りを修正するために41項目の表現を修正した。本調査で得たデータに対して、探索的因子分析(最尤法、プロマックス回転)を行い、スクリープロットに基づき最終的に5因子43項目という因子構造を得た。第1から第5因子をそれぞれ「自分本位な態度」「対戦相手の妨害」「不正・反則」「周囲の尊重」「報復」と名付けた。各因子の項目数とα係数は順に16項目、0.87、9項目、0.87、9項目、0.82、6項目、0.70、3項目、0.62であった。また、5つの因子の因子得点を用いて、サンプルに対して階層的クラスター分析を行い、2つのクラスターに分類した。クラスター1(321名)は、第4因子の「周囲の尊重」の因子得点が高く、それ以外の4つの因子得点が低く、クラスター2(167名)はクラスター1と正反対の傾向を示した。クラスター2に分類された競技者は、競技スポーツに対して反規範的な認識が強く、スポーツインテグリティの脅威となる行動を発現させる可能性が高いと考えられる。今後、どのような達成志向性がこのような反規範的認識と関係しているのかについて調べる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画ではスポーツ競技者の競技への参加動機を測る達成志向性尺度の作成を2022年度に行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響が緩和されると予想された2023年度にその調査を行った方がよいと考え、スポーツパーソンシップ尺度の作成を優先させて2022年度に行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していた2023年度の研究を新型コロナウィルス感染症拡大の影響を考慮して2022年度に行ったため、2023年度においては、2022年度に予定していた競技スポーツの達成志向性尺度の作成を行う予定である。さらに2024年度には、2022年度に作成したスポーツパーソンシップ尺度と2023年度に作成予定の達成志向性尺度の両方を用いて、両者の関係を調べる。
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