研究課題/領域番号 |
22K11607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
片岡 正教 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 准教授 (60611910)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ボッチャ / パラスポーツ / 競技パフォーマンス / 座圧 / 動作解析 / 脳性麻痺 / 障がい者スポーツ / シーティング / 投球動作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ボッチャ選手の競技パフォーマンス向上のため,車椅子の座面の角度の変化が,ボッチャ選手の投球時における上肢運動の再現性および投球精度にどのような影響を与えるかを検証することを目的に実施する。これまでボッチャ選手の強化に携わってくる中で,選手の座位姿勢や車椅子のシーティン グに着目して何らかのアプローチをすることは多かったが,指導者の経験に基づき,その場で試行錯誤しながら行われることが一般的であり,科学的根拠がないものであった。本研究では,どのような座位姿勢が投球動作にどのような影響を与えるかを科学的に明らかにすることで,今後の選手強化につなげようとするものである。
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研究実績の概要 |
パラリンピックの正式競技であるボッチャの選手は,多くが脳性麻痺者をはじめとする重度の四肢麻痺者であるが,競技特性から,選手の競技パフォーマンスにおいて高い投球精度が要求される。下手投げで投球するボッチャ選手の多くは,投球時に体幹を投球側に傾けた姿勢を保持する。このことから,座面の側方への傾斜が投球動作や競技パフォーマンスに何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられる。本研究は,ボッチャ選手の競技パフォーマンス向上のため,車椅子の座面の角度の変化が,特に側方への座面傾斜がボッチャ選手の投球時における上肢運動の再現性および投球精度にどのような影響を与えるかを検証することを目的に実施する。 当該年度は,ビデオカメラで撮影した動画と同期が可能な座圧分布測定装置(BodiTrak Pro)を用い,下投げボッチャ選手(脳性麻痺,頸髄損傷,筋ジストロフィー症,先天性多発性関節拘縮症等)の投球時の座圧分布の特徴と競技パフォーマンスとの関連を分析した。また,脳性麻痺の選手を対象に座面の側方傾斜が競技パフォーマンスに与える影響について,三次元動作解析装置(OptiTrak)を用いて解析した。下投げボッチャ選手の座圧の特徴として,投球側に座圧が偏っていること,疾患により異なることが明らかとなった。また,座圧中心の左右への動揺が投球精度に関連している可能性が示された。脳性麻痺ボッチャ選手の座面の側方傾斜による競技パフォーマンスとの関連については,本研究で検証した傾斜角度(平面,投球側または非投球側に5度の傾斜)において投球精度の変化はみられなかった。ただし,座面を投球側に傾斜させた条件で,投球時の肩関節角度の安定性が高かったことから,座面の側方傾斜によって投球時の座圧や動作の安定性が変化する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度終了時点では,2024年度上四半期までに選手のデータを取り終えるという計画であったが,2023年度内に,多様な疾患の下投げのボッチャ選手を対象とした検証ならびに脳性麻痺選手を対象とした座面側方傾斜条件での動作解析と投球精度の測定・解析を概ね終了した。対象者を増やすことも今後の計画として考えられるが,包含基準を満たすボッチャ選手数が多くないため,これ以上の対象者の追加は容易ではないと考えられるため,現時点では計画通り進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況としても記したように,包含基準を満たすボッチャ選手数が多くないため,これ以上の対象者の追加は容易ではないと考えられる。今後は,解析項目の追加・再検証や,研究成果をまとめ関連学会や学術論文として公表していくことを計画している。
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