研究課題/領域番号 |
22K11627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
清水 将 岩手大学, 教育学部, 准教授 (20547872)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 発話分析 / 運動学習 / 運動中の発話 / 思考の可視化 / 運動中の話し言葉 / 指導と評価の一体化 |
研究開始時の研究の概要 |
ICT端末を活用した運動学習では、撮影だけではなく、運動中の対話で発せられる言葉を従来の筆記よりも簡便に録画、録音して、自分や他人との振り返りの効果を高める可能性がある。また、教師にとっても対話を縮約、思考を可視化して授業中に適切な情報を得ることができれば、適時性を失わずに指導を充実させることも可能になる。動きの中で発せられる話し言葉による思考が認知の深まりや技能習得に有効であることを解明し、その実現へ向けた便利で簡単な方法を開発する。
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研究実績の概要 |
授業中の児童生徒の運動学習に伴う思考を可視化することができれば、授業改善への有効な情報と成り得ることが予想される。しかし、体育授業中の運動学習に付随する発話をテキストに変換するためには、技術的に多くの困難が伴う。教室における座学の授業とは異なり、児童生徒が所持するICT端末だけでは不可能だからである。また、議事録作成支援サービスによって、リアルタイムにテキスト化することは現段階では実用的ではなく、授業後に録音したデータを変換することに方針を変更して研究を継続した。 昨年度の知見を踏まえ、本年度は、児童生徒にウェアラブル端末(iPod Touch)を装着し、端末による音声の録音を試みた。その結果、端末に装備されているマイクの性能では、身体に装着するホルダーによる風切り音を排除し、指向性の関係から教師の発言を含めた周囲の会話を録音するため、端末ごとに児童生徒の発話音声だけをテキスト化することが可能なクオリティで録音することはできないことが明らかになった。一方で、身体接触を伴わない運動、すなわち、ダンスやネット型のスポーツにおける音声の習得は、個別にマイクを装着することで、運動中の録音が可能であることが示唆された。 授業中の発話を可視化するためには、授業場面を区切ることにより、部分的に可能になる。例えば、児童生徒の話し合い場面に、グループに1台のICT端末を利用すれば、個別の音声の区別はできないが、会話の重複は避けることが可能になり、用途によって技術的な発話の録音方法を選択することが重要であることが示唆された。なお、授業中の教師の発話については、児童生徒に比べて発話を特定することが容易であるため、その収録や分析が授業研究会に実装できる可能性があることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
容易な条件下における運動学習中の発話を録音する技術開発は進んでいる。しかし、昨年の5月のCOVID-19の5類感染症移行があったことによって、一部の学校での研究協力や受け入れ状況の整備に時間を要し、インフルエンザを含めた感染状況によって予定していた学校への訪問計画が充分に推敲することができなかった。しかし、その間にBluetooth技術を使用したマイク等の技術開発を進めることができ、これらの開発技術を使って次の課題へ向けて研究を進捗することが可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、授業の話し合い場面の録音、人数を制限したマイク装着者による録音が可能になっており、ある程度の範囲内での発話の録音によるテキスト化ができるようになっている。今後は、児童生徒全員にマイクを装着することによって発話の録音及び重なりの処理を課題と考えている。また、球技などのある程度活動範囲が広がるフィールドにおいてBluetooth技術による通信の精度を屋外及び屋内で検証を行う予定である。
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