研究課題/領域番号 |
22K11637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 知己 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20264286)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ダイエット / 骨密度 / 肌年齢 / BMI / 痩せすぎ / 青少年女性 / 健康寿命 / 健康教育 / 骨粗鬆症 / 運動器疾患 / 血管機能 |
研究開始時の研究の概要 |
中年以降に発症することが多い心臓血管系や運動器系疾患の始まりは、はるか前の青年期であり、予防のためには青少年への健康教育が重要である。世界的には男女とも肥満問題が注目されているが、我が国女性特有の問題は、むしろ思春期、青年期のやせすぎである。青少年のやせすぎは、現在の健康への悪影響だけでなく、血管系や筋骨格系への悪影響による将来の健康問題発生、健康寿命の短縮、次世代への悪影響につながる。この問題の解決のために本研究では、やせすぎに関連した健康障害を示す青年期女性の実態と、生活習慣上の問題との関連性を計測・調査により明らかにし、その結果を基に青少年への効果的な健康教育・指導法の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
過去数年間、新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、高校生、大学生においても、クラブ活動の制限や、遠隔講義の実施、外出機会の減少、その反動としての、室内での生活の増加など、健康に望ましくない可能性のある生活を強いられてきた。そこで2023年度は、痩せ願望を持つ者の割合が高く、新型コロナウイルス感染症の蔓延により運動習慣や食習慣等の生活習慣に大きな変化があったのではないかと推測される女子大学生を対象に、ダイエット経験の有無と生活習慣についてアンケート調査、さらに骨密度を測定した。また、無理なダイエットや生活習慣の乱れは、肌の健康へも影響を及ぼすのでは無いかと推測した。そこで、合わせて肌年齢の測定も行った。研究に協力した参加者は、A大学の女子大学生133人であった。 ダイエット関連項目と骨密度について、15 項目に分けて相関を調べたところ、「ダイエットからの経過年数、ダイエット時の糖質制限の有無、ダイエットによる体重減少量」の3項目と骨密度との関連に有意差がみられた。ダイエットによる体重減少量と骨密度の分布について、体重がマイナス 4 キロ以上と 4 キロ未満の者とで分けて骨密度との相関を検定したところ、ダイエットによる体重減少量がマイナス 4 キロ以上となると、骨密度が有意に低くなることが分かった。運動習慣との相関は明らかではなかった。これは、協力者が、現役の大学生であり、それほど極端に運動しない生活を続けてきたものがいなかったためである可能性が考えられる。 ダイエット経験と肌年齢について、 13 項目に分けて相関を調べたところ、「BMI 最低時と現在の差」と肌健康度の 1 項目のみ有意な差が見られた。協力者が、20歳前後であり、測定値に個人差が大きくなかったことが原因かもしれない。 今後は、さらに結果の考察を進めて、研究方法の検討を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年4月までは、新型コロナウイルス感染症が、感染症法上の2類に分類されており、実際、それまでは、感染者が急増することが繰り返し発生していた。そのために、多くの協力者を集めて、種々の測定を行う本研究は、5類移行までかなりの制限を受けていた。その影響で、研究の進捗状況はやや遅れてしまっている、と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の結果を再検討し、アンケートの内容や測定項目に変更を加え、再度実施する。また、これまでに得られた結果をもとに、大学生向けの健康教育講義を準備し、実際の講義を行う予定である。その効果も、受講者へのアンケートを実施し、検討、評価する。
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