研究課題/領域番号 |
22K11643
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
工藤 龍太 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師(任期付) (40717211)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 近現代の日本武道 / 古武道 / 技術史 / 社会史 / 聞き取り調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代武道と古武道の双方向的な影響関係を解明し、近現代における武道のありかたを考察することを目的とする。 具体的には、近代武道から合気道と講道館柔道を、古武道から合気道の源流となった大東流合気柔術と双水執流柔術を事例に、史資料と関係者の口述資料をの分析を通じて以下の諸課題を解明する。①昭和戦前期までの日本における大東流の普及過程。②戦後の合気道の普及に際し、どのように独自性が主張されたのか。③柔道創始者・嘉納治五郎の「精力善用」概念と武道技術論の武道界に与えた影響。④双水執流と柔道との関係。⑤現代に継承される双水執流の伝統行事の意義。⑥戦後の武道界における古武道保存の取り組み。
|
研究実績の概要 |
当初設定した研究課題について、令和5年度の成果は以下の通りである。①昭和戦前期までの日本における大東流の普及過程。前年度、藤田西湖文庫で収集した史料に考察を加え、日本武道学会第56回大会で発表した。収集した史料を資料集として刊行した(応募者は編集責任者として発行に携わった)。 ②戦後の合気道の普及に際し、どのように独自性が主張されたのか。戦後の合気道で合気道の競技化を推進した富木謙治の武道技術論の出発点について、応募者が所属する合気道の団体の国際大会における国際シンポジウムを企画・開催し、「富木謙治の武道技術論の出発点:昭和戦前期における2つの形の意義」と題するキーノートレクチャーを実施した。その場で参加者と意見交換して、戦後の合気道の国際化についての情報収集を行なった。 ④双水執流と柔道との関係。⑤現代に継承される双水執流の伝統行事の意義。福岡県在住の同流の指導者の下に2度出向き、資料収集・聞き取り調査を実施した。 ⑥戦後の武道界における古武道保存の取り組み。東京都在住の古流柔術指導者と札幌市に出向き、古武道の一流派の前宗家(故人)の家族と面会し、聞き取り調査を実施した。その際、指導者にも随時聞き取り調査を行なった。研究補助者を雇用し、資料の保存作業を実施した。④⑤⑥については日本スポーツ社会学会第33回大会で発表した。⑥については、内容の一部を①で言及した資料集の中に収録し、刊行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
応募者自身の職場の異動のため時間を取られ、発表した内容の論文化・投稿作業に遅れが出ているものの、課題に対しては順調に推移したといえる。国際学会の参加については、渡航費の高騰もあり今年度も実施は不可能と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
①昭和戦前期までの日本における大東流の普及過程。これまでに収集した史料や既に学会発表した内容を基に論文執筆を進める。 ②戦後の合気道の普及に際し、どのように独自性が主張されたのか。関係者に聞き取り調査を実施する。 ③柔道創始者・嘉納治五郎の「精力善用」概念と武道技術論の武道界に与えた影響。基本的な史料の収集を継続する。 ④双水執流と柔道との関係。⑤現代に継承される双水執流の伝統行事の意義。⑥戦後の武道界における古武道保存の取り組み。東京都・神奈川県・福岡県在住の古流柔術の指導者・武道研究者に聞き取り調査を継続し、資料の保存作業を継続する。既に学会発表した内容を基に論文執筆を進める。
|