研究課題/領域番号 |
22K11647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
福崎 千穂 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (10319006)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 水中ウォーキング / 歩行用ポール / 下肢関節疾患 / ポール・ウォーキング |
研究開始時の研究の概要 |
形と重さの異なるポールの利用が、水中ポール・ウォーキングの歩容と運動時生理応答に与える効果について明らかにするため、25m歩行テストを行い、小型慣性センサを用いた体幹の揺動評価と筋電図評価を行う。また300m歩行テストを行い、心拍数から運動強度を評価する。両テストともに若年健常者15名と下肢関節疾患患者15名を対象とする。ポールの形はストレートと弯曲の2条件とし、重さは500g単位で4条件変える。
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研究実績の概要 |
実験用試作ポールを使用して、健常者2名、股関節疾患患者2名を対象として、使用感に関する調査を行った。試作ポールは重さ3パターン(1本700g、1200g、1700g)×形状2パターン(ストレート、弯曲)の6本(長さ可変)とした。形状は同じで重さを変えるため、下20㎝の直径が太く、そこに重りを入れる構造とした。またこの重り用突起構造のない、1700gで1本の太いポールも作成し、これら7本と現在市販されている700gで下に重り構造のないポール1本の8本を用いた。 健常者では、700gのものはポールが後ろに流れてしまい、特に試作ポールではポールが下に接地しないこと、市販品は接地はするが水の流れに任せていると接地位置が後方となり、接地位置を前にしようとすると、水の抵抗で腕や手首へ大きな負担がかかることがわかった。1700gのものは、安定感はあるが重く感じられた。1200gのものは、接地の際に弾んでしまい安定せず使用しにくいことが分かった。弯曲のものは、下の重り部分が外側へ離れている分、ポールの揺れを感じにくかった。 股関節疾患患者は、健常者に比べ歩行速度が遅いため、ポールの後方への流れは健常者ほど大きくはなかった。しかしながら700gと1200gの試作ポールでは、前者は後ろへ流れてしまい接地しにくいこと、また後者は床で弾んでしまうのは健常者と同様であった。1700gのものは、重いが腕に力を入れずにポールが前方に接地するため、安定して歩きやすいという意見であった。 また市販品(700g)のポールを使用して、若年成人112名を対象として、握り位置による手首負担の違いを調査した。同じ長さのポールを一番先端のグリップ位置を握るのと、グリップよりも10㎝ほど下の部分を握って扱うのとでは、84%が後者で手首負担が楽だと回答した。握り位置によって手首負担が異なることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験条件を最終決定するために使用感に関する調査を先に行ったが、当初予定していた結果と異なることが多く、何度も使用を繰り返した。また、下肢関節患者では歩行速度が遅いため、健常者とはポールの動きが異なることも分かった。これらの結果から実験条件を絞り、2024年度は生理学的指標の取得に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は (1)若年健常者を対象としたポールを用いた生理応答実験とその解析 (2)下肢関節疾患患者を対象としたポールを用いた生理応答実験とその解析 を行う予定である。 700gの実験用試作ポールと、1200gの実験用試作ポールは歩行時に後方へ流れてしまい接地しにくいこと、また弾んでしまい不安定であるという結果に基づき、700gの市販品と1700gの実験用試作品を中心に、これらの解析を行う予定である。
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