研究課題/領域番号 |
22K11653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉浦 英志 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50303615)
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研究分担者 |
立松 典篤 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (60796770)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 小児 / 身体機能低下 / 学官連携 / 不良姿勢 / 脊椎アライメント |
研究開始時の研究の概要 |
近年、小児の身体機能低下が問題となっている。不良姿勢は体の硬さやバランスの悪さ、椎間板への負荷の増大や関節の退行性変化へのリスクを高めるとされているが、小児において不良姿勢が身体機能に与える影響は明らかではない。本研究では小児の身体機能低下に対する予防的介入方法の確立を目的としており、脊椎アライメントに着目した姿勢・運動療法プログラムの介入により身体機能の改善効果が得られれば、学校の教育指導に対して有益な支援システムとなると考えられる。また、本研究は学校の教師と連携して理学療法士が直接、運動指導を行うことを特徴とした学官連携による画期的なアプローチである。
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研究実績の概要 |
脊椎アライメントの評価である胸椎後弯角や腰椎前弯角と身体機能との関連性について横断解析を行い、脊椎アライメントに 関わる因子を抽出した。 対象は運動器健診に参加した9-15歳の児童112名である。脊椎アライメント指標として、胸椎後弯角、および腰椎前弯角を計測した。生活習慣として身体活動時間、座位時間、スクリーンタイム、身体機能として片脚立位時間、2ステップテスト、握力、背筋力、立ち幅跳び、指床間距離、6分間歩行距離を計測し、脊椎アライメントとの関連性を検討した。 相関分析の結果より、胸椎後弯角はいずれの生活習慣とも関連を持たなかったが、腰椎前弯角についてはBMIと正の相関が見られた。また、腰椎前弯角を目的変数、各生活習慣を腰椎前弯角に投入した重回帰分析では、BMIが腰椎前弯角と関連が見られた。身体機能については、片脚立位時間、握力、6分間歩行距離において、胸椎後弯角と有意な相関が見られた。各身体機能を目的変数、脊椎アライメントを説明変数とする重回帰分析では、片脚立位時間、および6分間歩行距離は胸椎後弯角と有意な関連が見られた。BMIの増加に起因する腰椎前弯角の増加は腰痛の原因であることが報告されており、将来的な腰痛を予防するためにもBMIを低下させる取り組みが重要となると考えられる。また、胸椎後弯角の増大はバランス機能や心肺機能にも関連しており、脊椎アライメントの異常が身体機能にも影響している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脊椎アライメントと身体機能との関連について、横断的な解析において、BMI、片脚立位時間、6分間歩行距離が脊椎アライメントと関連することが明らかになった。片脚立位時間はバランス機能や下肢筋力と関連しており、6分間歩行距離は有酸素運動と関連した項目である。その為、バランス運動や下肢筋力を高める運動や持久力を増強する運動を取り入れた運動プログラムを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、脊椎アライメントに関連すると考えられるバランス運動や下肢筋力運動、持久力増強運動を含めた運動プログラムやマニュアルを完成させる。現在、児童健診において運動教室の開催を計画しており、運動教室というアプローチで、完成させた運動プログラムによる身体機能の改善効果を前向きに調査していく予定である。
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