研究課題/領域番号 |
22K11660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2023) 和洋女子大学 (2022) |
研究代表者 |
村井 梨沙子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60826642)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 体育授業研究 / 社会的スキル / サッカー / 学習指導モデル / 体育授業 / 動きの質 / 小学校体育授業 / 協同学習モデル / ボール運動 |
研究開始時の研究の概要 |
体育授業で用いられる協同学習モデルは社会的・認知的な学習成果を促進する学習指導方略であり、その中でも「Performer and Coach Earn Rewards(以下、PACER)」は、社会的・認知的な学習成果のみならず、技能における動きの質を向上させるためにも有効である可能性がある。そこで本研究では、協同学習モデルのストラクチャーである「PACER」を適用した小学校体育授業のボール運動単元を実施し、単元前後の社会的スキルと技能における質の変容について検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校体育授業のボール運動単元において児童の社会的スキルと技能の向上に焦点を当てた学習指導方略を検討することであった. 社会的スキルと技能の向上を促す学習指導方略としてアメリカにおいて実践された「Performer and Coach Earn Rewards(以下、PACERと示す)」が日本の体育授業において適用可能か検討することとした. 一方で, ボール運動系の指導では, 戦術的知識も必要であることから, 発問を加えることによって, 知識及び技能の向上も促すこととした. 2023年度では, 前年度の文献考証を踏まえた検証授業を行うことができ, 当初予定していた対象クラスよりも多くのデータが揃った. 本研究では,8時間単元で構成されたラインサッカーの単元を対象に実施し, PACERの手続きに則して授業が実施された. 学習内容や教材などについては, 検証授業実施前に,授業担当者と協議した上で決定した. 形成的授業評価では, どのクラスにおいても評定「3」から「5」に推移しており, 子どもにとっての満足度は高い結果であった. 特に,「意欲・関心」次元が高かったが,「成果」次元では落ち込みが見られる時間があった. この要因については, 今後ゲームパフォーマンス分析や児童の発話から検討する必要がある. 今後は, 児童生徒用ソーシャルスキル尺度について, 統計的に結果を明らかにすること, ゲームパフォーマンスについては, ボール操作技能及びボールを持たないときの動きについて観察的評価基準をもとに分析すること, 児童の発話や教師行動についても質的データを用いて分析していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に小学校での調査ができなかったが,2023年度は調査校のにて3クラス(約90名)の児童を対象に調査を実施することができた. また, 形成的授業評価及び児童生徒用ソーシャルスキル尺度については分析が進んでいることから,本研究が概ね順調に進展していると判断した. 今後は, 足でのボール操作技能及びボールを持たないときの動きについてのゲームパフォーマンスを分析するとともに, 児童の発話の実態について明らかにする.
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今後の研究の推進方策 |
今後は, 児童生徒用ソーシャルスキル尺度について, 統計的に結果を明らかにすること, ゲームパフォーマンスについては, ボール操作技能及びボールを持たないときの動きについて観察的評価基準をもとに分析すること, 児童の発話や教師行動についても質的データを用いて分析していく. その上で, 形成的授業評価や児童生徒用ソーシャルスキル尺度の結果について考察をしていく. また, 検証授業では,教歴の異なる3名の教師に実施してもらったため, 教歴の観点から, 本研究で実施した指導方略の可能性も検討したいと考える. 今年度が最終年度となるため, 成果の公表も行う予定である.
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