研究課題/領域番号 |
22K11663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
齋藤 雅英 日本体育大学, スポーツ文化学部, 准教授 (40339239)
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研究分担者 |
Toth Gabor 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (00448680)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 発達障害 / 腸内細菌叢 / 運動能力 / ADHD / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、発達障害と腸内細菌叢との関連について様々な研究が進められている。しかしなが ら、注意欠如・多動症においては、腸内細菌叢の組成との関連は不明のままである。そこで、本研究ではADHDのある子どもの症状と、腸内細菌叢の組成との関連について解明することを目的とする。そのため、ADHD児と健常児の腸内細菌叢をメタゲノム解析によって比較し、ADHDに特有の系統組成と機能組成を明らかにする。具体的な研究項目は、 ①ADHD児の症状と腸内細菌叢の組成との関連 ②日本と米国におけるADHD児の腸内細菌叢の組成の違い ③運動の不器用さを有するADHD児の腸内細菌叢の組成の解明、 の3つである。
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研究実績の概要 |
本研究では、ADHDと腸内細菌叢の組成との関連について、メタゲノム解析により解明することを目的とする。そのため、①ADHD児と健常児の腸内細菌叢を比較し、②日本と米国の比較により、発見の可能性を高めるとともに、組成が日本独自のものかを明らかにする。③ADHDにみられる運動の不器用さと腸内細菌叢の組成を解明する。解明された基礎的な知見は、さらなる研究によりADHD児が健康な社会を送るための、様々な介入方法の開発と展開させることができると考える。 2023年度では、日本における研究対象者の募集と選定を行い、日本の対象者に対して運動能力検査と検体(糞便)採取を実施した。①研究対象者となる日本のADHD児は、一般社団法人子ども運動技能協会が運営するスポーツひろばの「発達障がい児の運動教室(東京 と神奈川で4教室)」で確保した。そのため、予定していた他の機関からは募集しなかった。対象者の内訳はADHD児が22名(内1名途中辞退)、健常児16名(内2名途中辞退)であった。健常児についてもスポーツひろばの協力により予定人数が確保できたため、他機関への依頼は行わなかった。ADHD児と健常児の年齢は6歳以上13歳未満であった。米国では、ADHD児はHattiesburgのChildren centerを中心とし、DuBard schoolでも募集するため、現地の協力者と連絡をとった。健常児は、Southern Mississippi大学の講座を通じて募集した。15名ずつ6歳以上13歳未満の募集を行った。日本ではすでに運動能力検査(文部科学省の体力テスト)を対象者から取得している。また、ADHDの症状を詳細に把握するためConners3についても保護者とスポーツひろばの児童担当者からデータを得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のとおり、日本におけるデータ収集ならびにデータ解析を2023年4月から9月の期間で完了することができた。データの解析については、日本ジェネティクス株式会社が取り扱っている、「次世代シーケンス受託解析サービス」を利用して、理化学研究所にて細菌叢の16S配列データの生産とデータ解析を執り行うことができた。データについては確実にフィードバックを受けており、V1-2またはV3-4を3,000reads/sampleの生産と情報解析(OTU解析、菌種帰属・菌種組成解析、多様性解析、UniFrac解析等)の結果を受け取っている。分析結果については、提供されたデータから現在追加の分析を行っている途中であるが、たいへん有益な複数の結果が得られたと考えている。この腸内細菌叢の分析結果と、Connersで得られたADHDの症状との対応関係と、体力調査結果との関連をさらに深く分析していく予定である。それらの結果を研究協力者と協議し、まとめて海外の雑誌に論文を投稿する予定となっている。 アメリカにおけるADHD児と健常児に対するデータ収集については、現地の研究協力者を通じて、より安価にデータの取得と解析を請け負う業者を探している段階である。そのため、日本におけるデータの取得と解析については、たいへん順調に進んでいるが、アメリカでのデータ取得については明確な進展の情報が得られていないため、進捗状況の区分を(3)やや遅れているとした。 また、やや遅れている事項として、研究参加者に対する結果のフィードバックがある。これについては、現在「腸内細菌叢の分析結果」「Connersの分析結果」「体力テストの結果」の3種類をまとめ、フィードバックする準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進の方策については、大きく2つがあげられる。ひとつは、すでに取得したデータの公表である。公表については、①日本のADHD児と健常児における腸内細菌叢の違いについて論文を作成する。②加えて、ADHDの症状Connersのデータと体力テストの結果との関係について、それぞれ分析して学会発表できるよう進めている。さらに、③取得したデータのなかで一卵性双生児などのデータを取り出して、事例研究としてその結果を発表することを計画している。以上が取得したデータの公表計画である。 ふたつめは、新たな視点からの分析と新しいデータの収集についてである。新たな分析として、子どものADHD症状を評価するための心理検査であるConnersには、「不注意」「衝動性・多動性」に加えて「不安」「抑うつ」「素行障害」「反抗挑戦性障害」の評価も可能であることから、それらの得点と腸内細菌叢の分析結果との対応関係についても検討を進めていく。そして、新しいデータの収集について2とおりの方策を検討している。①結果の再現性をはかるために、再度類似の対象者を日本で募ってデータを収集する、②アメリカの子どもを対象として、協力者を募ってデータを収集する、である。①については、前回と同様にスポーツひろばの「発達障がい児の運動教室」に加えて、新たな協力団体を得られるかがポイントになる。②については、アメリカにおける分析費用が当初の予定よりもかなり高額になっているため、どのようにして予算内に収めるかがポイントになる。
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