研究課題/領域番号 |
22K11666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
葛原 憲治 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (70225150)
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研究分担者 |
井口 順太 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (70727479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高校生 / 運動強度 / 身体活動量 / ピリオダイゼーション / 傷害予防 / 傷害発生率 / トレーニング負荷 / GNSS / ジュニア選手 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、本邦の小学生から高校生世代のジュニアスポーツおよび大学生のユーススポーツに関する傷害予防研究として、ジュニアからユース世代の運動部活動について、まず、欧米で標準化されている1000AHs当たりのIRの国際指標を用いて傷害実態を明らかにする。次いで、GNSSシステムによるスポーツ活動評価(時間・走行距離・最大速度など)やパフォーマンスデータ(筋力、パワー、スピードなど)の関連から傷害発生要因を特定し、それに基づいた傷害予防トレーニングやコンディショニング方法を検討し、育成世代のスポーツにおけるトレーニング負荷の最適化を検討することで傷害予防に寄与することを目的とする。
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研究実績の概要 |
令和5年度(2023)においては、競技人口の多い高校生のバスケットボール部に所属する選手を対象に三軸加速度計を用いて公式戦試合時の活動強度を検討した。高校生男子バスケットボール部(男子2チーム)に所属する16~18歳の選手51名を対象とし、試合時の活動量を測定した。対象チームの地域で開催された公式戦試合を対象に、国際的に信頼性が高いアクチグラフ(GT3X-BT)を用いて活動量を測定した。 今年度の学会発表においては、高校生男子バスケットボール部(男子1チーム)に所属する16~18歳の選手15名を対象とし、公式戦8試合の活動量を測定した。対象チームの試合時の活動強度について、消費エネルギー、METs、立位、低強度、中強度、高強度、超高強度、MVPA、高強度以上の平均および標準偏差値は、それぞれ356.6±51.9 kcal、4.0±0.3メッツ、23.7±3.2%、10.8±5.7%、31.0±3.4%、23.3±2.0%、11.3±3.0%、65.5±6.8%、34.6±4.1%を示した。同一種目の練習時の活動強度割合(葛原ら、NSCAジャパンS&Cカンファレンス2022)と比較すると、MVPA(練習時59.0%)で6.5ポイント、高強度以上(練習時27.6%)で7.0ポイントそれぞれ試合時が高値であった。また、同一種目における試合時の傷害発生率は、練習時より2.31倍高いことが報告(Kuzuhara, et al. 2022)されており、本研究で示された試合時の高い活動強度と練習時の活動強度の差が傷害発生と関連がある可能性が考えられた。 高校バスケットボール部において、三軸加速度計による試合時活動量を測定し、基礎データを得ることができた。今後、試合時と練習時の活動強度の差が傷害予防やパフォーマンス向上にどれくらい影響を及ぼすかを検討する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年12月に開催されたNSCAジャパンのストレングス&コンディショニングカンファレンス2023(幕張メッセ)において、「高校生バスケットボール選手における試合時の活動強度」(葛原憲治、柴田真志、井口順太)の学会発表を行っており、当初の予定である研究が概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
近年、サッカーやバスケットボールにおいて、GPSデバイスや活動量計によって活動強度や身体負荷量を計測し、競技パフォーマンス向上や傷害予防が検討されている。しかし、これらのデバイスを導入できているのは競技レベルの高いプロやエリートチームが多く(Russellら2021)、育成世代の一般選手やチームのデータは非常に限られている。また、高校部活動における公式戦試合時の身体活動量の調査は我々の知る限り見当たらない。今後、育成年代の高校バスケットボール部に所属する選手数を増やし、三軸加速度計(アクチグラフ)を用いて、試合時の活動強度および外的負荷量を検討する予定である。 また、育成年代の大学サッカー選手を対象にGPSデバイスを用いて、試合時や練習時の身体的要求、外的負荷量や活動評価をポジション別に検討する予定である。大学サッカー選手において、GPSデバイスによる試合時の身体活動量を基に、練習における適切な運動強度、活動時間や活動量を検討することで競技パフォーマンス向上につながる可能性が考えられる。
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