研究課題/領域番号 |
22K11668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
野村 国彦 大阪経済大学, 情報社会学部, 教授 (80440957)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ゆらぎ / 運動 / 動作 / 点過程 / 非線形時系列 / 認知機能 / 高齢者 / 運動機能 / 小脳 |
研究開始時の研究の概要 |
何度も同じような動作や反応が求められる運動課題や認知課題において,人は等時性を担保することはできず,動作や反応時間などにゆらぎが生じる.この“ゆらぎ”はシステムの何らかの特性を示している.本研究は,運動の“ゆらぎ”に注目し,運動パフォーマンスと認知機能との相関関係を明らかにすることを目的とする.本研究の成果は,認知機能を推定する定量的診断手法の開発に寄与するものと考える.
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研究実績の概要 |
本研究では、運動のゆらぎが運動機能に強く関連すると仮定している。ある動作の繰り返しでは動作が同じような動作でも、同じ時間間隔で動作が完了することはなく、絶えず、この時間間隔はゆらぐ。この運動のゆらぎは年齢によっても異なる。また認知機能は年齢によって変化する。そこで、本研究は、①運動のゆらぎに注目した運動機能を示しうる変数から認知機能を推定し得るのかを明らかにし、さらには②認知機能の推定精度が高くより簡便な運動課題を見つけ出すことが目的である。令和4-5年度には、運動機能を示しうる変数を明らかにするために手法の開発を中心に行った。その実施状況は以下の通りである。 これまでの申請者の研究において、光学系の計測システムにより得た動作軌跡のゆらぎの非線形時系列解析により、認知機能との関連性が示されている。しかし動作軌跡を連続的に計測する光学系の計測システムでは、その後に詳細な解析はできるが、その設備が施された施設に実験参加者に来てもらう必要などがあり、実験参加へのハードルを高くしてしまっている。例えば、指タッピングなどの動作を測定する場合、ノートPCを持ち運び実験できると協力者への負担を減らすことができる。そこで、令和4年度は、ある動作の開始から次の動作の開始までの時間間隔のデータから運動のゆらぎを特徴づける手法について検討した。その結果、ニューロンの活動電位を対象とした点過程時系列に対する非線形時系列解析の手法(N. Janson et al., PRE, 1998)が応用できる可能性を見出した。その後、点過程時系列の非線形時系列解析の特性を調べるために、過去に得たデータに対して再評価している。また令和5年度においては、認知機能の評価方法について文献検討した。令和6年度には学術雑誌に投稿できるように準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の進捗が当初予定していたよりも遅れている理由は以下の通りである。 一つは、本研究課題を申請した当初予定していた本研究に対するエフォートを30%としていたが、申請後、学内で私の役職が変わり学内業務の状況が変わったことで、研究に対するエフォートを大きく減らさざるを得なくなった。そのため、研究の流れを変更せざるを得なくなった。このことにより、令和4年度は、動作軌跡の時系列から点過程時系列に変換したのちの非線形時系列解析の手法の応用を検討した。次に、令和5年度の研究の中で、点過程時系列に対する非線形時系列解析の応用の目途が立った。令和6年度は、運動機能と認知機能の相関関係を明確にする実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
副学部長として3年目になる令和6年度は、本研究課題に対するエフォートを30%に引き戻す。そして、運動軌跡の時系列と変換後の点過程時系列に対する非線形時系列解析の結果を比較し、点過程時系列の非線形時系列解析の応用可能性を論文としてまとめる予定である。また、進んでいない実験によるデータ収集を行い、運動機能と認知機能の相関関係を明確にすることを令和6年度内には達成することを目標とする。
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