研究課題/領域番号 |
22K11680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
田端 真弓 大分大学, 教育学部, 准教授 (60648608)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 武術 / 武道 / 武士 / 明治期 / 国家主義 / 幕末期 / 神道無念流 / スポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幕末期に神道無念流をおさめながら、明治期に大日本武徳会等を中心として剣術界に貢献した大村藩出身の渡邊昇に着目して、明治期の彼の剣術思想について明らかにしようとする研究課題である。明治期から大正期へかけての剣術・剣道の技術的進展のなかで、剣術の概念は変質を遂げてきたことがこれまでの研究ですでに示されてきており、また大日本武徳会剣術形から大日本帝国剣道形への転換もまた近代・現代剣道への嚆矢と考えられてきた。しかし、本研究では昇を中心にこれらの歴史的事項を捉えることによって、剣術・剣道の底流にある思想を明瞭なものにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究は5年の研究期間となっているが、2022~2023年度の2年間をかけて一定程度の成果が出せるような研究計画を立案していた。なかでも2022年度は、大日本帝国剣道形制定に関する先行研究を検討することと渡邊昇(以下昇とする)関係資料の収集及び整理、その傾向を検討することが課題となっていた。これらについては一定程度進めることができたが、昇関係資料の傾向の検討は未着手のままとなった。 他方、研究代表者のこれまでの研究状況と成果から、本研究を遂行する上での学術的背景について一層鮮明にしておくことが必要となり、身体運動文化の立場から研究動向と本研究の位置づけに関する小論稿をまとめた。当該論文では、武術・武道に加えて武士道・社会進化論・社会有機体説、国家主義をキーワードとしながら、身体教育の教育・研究に迫ったもので、武術・武道をめぐる身体運動文化の歴史的把握方法の一端を明確にした。時代区分による把握方法から時代超越的把握方法をとる立場もまた把握の一方法となることを指摘した。さらに武術から武道への推移と変容のなかで、それらを一定の連続性の視点から捉えることの重要性を述べた。それは、身体運動文化の歴史という時間的ダイナミクスに対する発想の転換を意味しているが、一方で、それらは昇をめぐる武術・武道の見方に対する新たな研究視点ともなっている。その点において、初年度にまとめた小論稿ではあったが、本研究課題の焦点を一層明確にさせることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の背景や目的、方法については、当初の計画から変更はないが、研究を進める上で2022年度までに焦点を明確にしておくべき事項が生じてきたため、2022年度に計画していなかった内容に補足的に取り組んだ。そのため、2022年度の計画に若干の遅れが生じたと判断し、「(3)やや遅れている」とした。しかし、その内容は、2023から2024年度にかけて計画していた事項につながるような内容であったと考えている。したがって、本研究課題を長期的に見通したときには、遅れになったというものではなく、着実に研究を進めたことになったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」や「現在までの進捗状況」で示したように、初年度の計画の一部については、進めることができた上、研究課題を補強するような内容をまとめることができた。これらに大きな時間を費やすこととなったが、これらについては、2年目以降も継続的に実施することとする。 一方で、昇関係資料の傾向の検討については、初年度から2年目の2年間に渡って流動的に進める予定ではあったが、初年度を終えた現在、未着手のままとなっている。よって、2年目以降に重点的に取り組んでいくことを考えている。この課題とその成果は、本研究の基礎になるため、早計に過ぎることなく、長期的な見通しのなかで時間をかけて遂行していけるような研究計画の調整を進めていくことで推進方策としたい。
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