研究課題/領域番号 |
22K11681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
高柳 雅朗 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80287523)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 学習教材 / 解剖学教育 / 骨学 / ペーパークラフト / セルフラーニング / 医療従事者養成 / 遠隔授業 / 紙工作 / 解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
人体の構造を学習する解剖学は医療従事者を目指す全ての学生にとって重要な科目であるが、教科書等の平面資料のみから立体的に解剖学を理解するのは難しい。そこで本研究は、解剖学を立体的に学習できるコスパに優れる新たな学習教材として、実物大の人体の全身の骨の学習教材ペーパークラフトの開発を目的とする。開発対象は、頭蓋骨、椎骨、体幹の骨、上肢骨、下肢骨などの全身の骨とする。全身の骨の3次元モデリングデータを作成し、作成したデータから展開図を作成する。展開図には専門用語等の解剖学の情報を加え、学習教材にする。セルフラーニング教材として学習者が組立てそして学習できるように設計し、組立て方説明書を作成する。
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研究実績の概要 |
解剖学は医療従事者を目指す学生にとって重要であるが、教科書等の平面資料のみから立体的な理解は難しい。ペーパークラフトは立体造形であり、その組み立てはフロー状態を促す場合もあるため、解剖学の学習に有用な新たな学習教材になると期待される。また、学生自身が組立てながら学べるため、セルフラーニング教材としての有用性も期待できる。遠隔授業においては、展開図を配布し、あらかじめ組み立てることで、学生は手元で立体的に確認しながら受講できる。学習教材ペーパークラフトの費用は、市販の模型に比べて非常に低価格であるため、教育機関は希望する学生数分の準備も可能と思われる。これらから実物大の解剖学の学習教材ペーパークラフトの開発を目的とした。 実物大の食道・胃・十二指腸の学習教材ペーパークラフトの展開図はそれぞれ5部品・14部品・6部品からなり、A4用紙5枚に収まった。展開図には解剖学の情報を記載し、臓器の部位を色分けし、立体的に臓器の構造を理解できるように設計した。学習教材ペーパークラフトの作成所要時間は、食道は約30分、胃は約100分、十二指腸は約60分であった。本学習教材ペーパークラフトは安価でありながら、上部消化管を構成する臓器の概形や立体配置を様々な角度から観察してセルフラーニングができる。 実物大の終脳・間脳・中脳・橋・延髄・小脳の学習教材ペーパークラフトの展開図は34部品・8部品・2部品・4部品・4部品・10部品からなり、A4用紙12枚に収まった。展開図には部位名や脳神経等を記載し、各部位を色分けし、視覚的に立体構造がわかりやすいように設計した。左右に分割できるため、学習者は脳の外観と正中断面を様々な角度から立体的に観察できる。幅広い領域において重要かつ必須な基礎知識である脳の解剖学を低価格で学ぶことができる本教材は、解剖学の初学者のセルフラーニングに役立つことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ等の拡大防止対策の影響は小さくなったとはいえ、様々な影響や制限を受け、研究遂行に支障をきたしている。このため、これまでに完成した展開図および組立て説明書は、計画に達していない。これらの理由により、現在の進捗状況を判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、今年度も昨年度に引き続き、全身の3Dモデリングデータおよび展開図そして組立て方説明書の作成に重点を置く。これまでの開発から得られた示唆やノウハウを展開図および組立て方説明書に反映させ、より作りやすく短時間で完成できる展開図を目指す。具体的には、3Dモデリングデータにおける頂点数、辺数および面数を減らし、展開図におけるノリシロ数を減らして組立ての難易度を下げる等により、組立て時間の短い展開図の作成を目指す。セルフラーニングにも使える学習教材として学習効果を高めるための工夫である、展開図内への解剖学情報の記載、学習教材向けの配色、重要な専門用語への英語併記等はこれまで同様に実施する。 研究成果を学会発表および学術論文による発信を行う。また、意匠登録による公開を計画しており、より広い発信を計画している。
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