研究課題/領域番号 |
22K11685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
青木 和浩 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60424230)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 跳躍運動 / バウンディング / 走る運動 / 跳ぶ運動 / フィールドテスト / 小学生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「跳ぶ運動」と「走る運動」に着目し、水平、垂直、横と異なる三つの跳躍運動と直線走や方向転換走の走運動との関連を検証する。自身の研究で「バウンディング」と言われる跳躍運動において、陸上競技のアスリートに有効なことを明らかにしてきた。本研究では様々な跳躍運動と走運動の関連を検証し、自身がこれまで提唱してきた水平方向の跳躍である「バウンディング」が優れた教材であることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
多様な動きづくりを求められる子ども達に走跳投の動作を習得することは重要である。本研究では「跳ぶ運動」と「走る運動」に着目し、水平方向、垂直方向、横方向と異なる三方向の跳躍運動と直線走や方向転換走の走運動との関連を検証する。特に本研究では「走る運動」と「跳躍運動」の運動内容を幅広く実施し、小学生に有効な跳躍運動の選定を試みたい。さらにその種目が測定や運動内容として汎用性が高い運動を提案していきたい。 令和4年度は、第一段階として「大学生を対象とした測定種目の選定(事例的検証)」の取り組みを行った。その結果から、大学生の実施において、横方向の跳躍は、難易度が高く、さらに走能力との関連性が低いことから測定項目から除き、小学生に対する実施可能な種目の絞り込みを行った。令和5年度は、第二段階として「小学生を対象とした測定種目の選定(事例的検証)」を行った。具体的には、陸上競技の経験がある小学生(3~6年生、男子30名、女子32名)を対象とした。測定は、垂直方向の跳躍として、垂直とび(腕振りあり、なし)、リバウンドジャンプ(RJ指数)、水平方向の測定種目としては立幅跳、立三段跳・立五段跳を実施し、跳躍の測定項目は6種類を実施することが出来た。「走る運動」として、直線走として「反応スプリント10m・30m」方向変換走として「プロアジリティー」の3種目の測定を行うことが出来た。また、種目選定にあたり筋力の要素を除外する目的から握力、脚筋力の測定も実施した。さらに、各測定種目に際し、主観的難易度も調査し、大学を対象に行った主観的難易度と小学生における主観的難易度も調査を行った。小学生を対象とした走る運動と跳ぶ運動の関連生から、測定項目の選定に際し、有益な基礎資料を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 本研究では、研究実績の概要で示した関連を検証するために、対象となる小学生に対し、各跳躍運動と走運動を実施し、その特徴を明らかした。測定項目の選定に際し、令和4年度は、大学生を事例的に実施し、小学生が学校体育でも活用できる視点を踏まえ、測定種目の絞り込みを行った。令和5年度においては、近隣市町村の陸上クラブに所属する小学生を対象に事例的検討を行った。対象者は、跳躍運動の経験も有しており、その実施方法などの再現性が担保されていると判断した。なお、想定よりも多い数の対象者であったため、令和6年度に実施する予定であった内容の一部も調査項目に加えて実施をすることが出来た。特に保護者から研究の同意だけではなく、本研究に対して高い評価をいただき、測定修了後に報告会を実施した。発育発達の観点から、小学生の身長や体重、握力や脚筋力の値も収集することが出来た。さらに、令和6年度に実施予定であった「小学生を対象とした様々な跳躍運動と走運動の検証」における測定種目実施時に跳躍運動の難易度や楽しさ、主観的な意識などをヒアリングすることもでき、実施計画に対して順調に調査が進んでいる。現在、大学生のデータと小学生のデータとの関連性など、詳しい分析をしているため、学会発表や論文掲載にはなっていないが、特に主観的な意識などは、実践現場において有益な情報であると考えられる。また、小学生を対象とした垂直方向の跳躍運動(垂直とび、リバウンドジャンプ)」、水平方向の跳躍運動(立幅跳、立三段跳、立五段と走運動として、直線走(反応スプリント10m・30m)、方向変換走(プロアジリティー)の関連性についても測定データを入力し、分析を進めているが、ある程度の関連性が見えてきてきた。なお、測定に際し、小学生用、測定マニュアルを作成し、現場で活用できる測定方法の妥当性も担保した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、「小学生を対象とした様々な跳躍運動と走運動の検証」を実施したい。令和6年度に実施予定の跳躍運動の主観的難易度や測定時に楽しさや意識なども、令和5年度の測定実施時に調査し、ヒアリングを行うことが出来た。そして、対象となる地域クラブチームや保護者が本研究へ評価と理解をしていただき、令和5年に測定を行った被験者を令和6年度も縦断的に研究協力をしていただけることとなった。このことにより、小学生の成長と跳躍能力や走能力の発達という面も補完され、より現場に則した種目の提案が可能になると考えられる。さらに、クラブ内の他の小学生の協力も得られることとなり、より多くの被験者が確保することができるようになった。 令和6年度が最終年となるが、これまでの事例的検証結果を基に測定種目を選定種目の絞り込みも終了した。令和5年度の測定の中で、小学校3~6年生の中では、測定種目の難易度が明らかになった。令和6年度では、より汎用性を踏まえ、「楽しさ」「運動教材」という面からも検討を進めていきたい。本研究では、自身の研究で「バウンディング」と言われる跳躍運動において、陸上競技のアスリートに有効なことを明らかにしてきた。本研究においてもこれまでの測定結果を踏まえると小学生においても同様の知見が得られると考えられるが、水平方向の跳躍である「バウンディング」の中でも「立三段跳」と「立五段跳」のどちらがより優れた教材であることを検討したい。跳躍運動と走運動における最も高い関連がある跳躍運動を見つけ出すことが本研究の最大の目標ではあるが、単なる測定値からの検討ではなく、運動への意識も調査し、今後の実効性を高めるためにも、運動時の手順や留意点なども記録したい。さらに、跳躍運動の測定結果と走能力との関連を示せる尺度の作成、トレーニング種目として、学校現場で広めていきたいと考えている。
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