研究課題/領域番号 |
22K11692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
軽米 克尊 天理大学, 体育学部, 准教授 (00733148)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 比喩表現 / 剣道 / 剣術 / 直心影流 / 武道 / 武術 / わざ言語 |
研究開始時の研究の概要 |
武道では、そのわざを伝統文化として捉えて学習し、伝承することが重要とされるが、その中には長い歴史を持たないものも含まれている可能性がある。武道において、本当に長い歴史の中で伝承されている伝統的なわざとはどのようなものかを明らかにするためにそれぞれのわざに対する感覚を比喩表現として表した「わざ言語」について、文献の記述から抽出し、考察する。具体的には各文献から比喩表現を抽出した上で(1)何のわざの、(2)どのような性質を表しているのかを明らかにする。そして抽出したそれぞれの記述を時系列に整理し、(3)どの表現が、(4)いつから使われはじめ、(5)いつまで使われていたのか、を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本年度から研究課題の遂行をスタートさせた。当初の予定では令和4年度は柔道における比喩表現の抽出・分析を行う予定であったが、剣道を専門とする大学院生が研究協力者になってくれることになったため、計画を変更し、剣道における比喩表現の抽出・分析から始めることとした。 近現代の剣道書から比喩表現を抽出し、分析を行い、その結果を日本武道学会第54回大会において研究発表を行った(筆頭著者は研究協力者)。抽出開始当初、竹刀を握ったときの手の形や、足の動き方、相手との関係性などに比喩表現が多く用いられるのではと予想していたが、最も用いられていたのは「心のあり方」「気のあり方」という内容に関してであった。武道においては、「身心一如」という言葉があるように、伝統的に身体と心を分けてとらえる考え方をしないため、技術の中に精神的な要素が多く含まれるが、この結果はこのことを裏付けるものであったと考える。 また、研究代表者自身はこれまでに専門的に研究をすすめてきた「直心影流」という剣術流派の伝書から比喩表現を抽出・分析し、この内容についても日本武道学会第54回大会において研究発表を行った。その結果、手の内に関する比喩表現で現在も用いられている「茶巾絞り」という表現が直心影流の伝書にも確認され、少なくとも江戸中期からこの表現が用いられていたことが明らかとなった。また、直心影流は「気」を非常に重要視する流派であることからか、気に関する比喩表現が多くみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、柔道から剣道、柔術、剣術の順で進行する予定であったが、研究協力者と相談し、剣道、剣術から研究をスタートさせた。剣道に関しては、予定していた近代期の史料からの抽出が完了しており、ペースとしてはおおむね予定通りかと思われる。ただし、剣術関係資料が膨大なため、今後、計画より遅くなる可能性が出てくると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後進めていく予定である剣術伝書が膨大であるため、剣術に関しては複数年かけて行う必要性があると考えている。本年度は特に現代剣道に思想的な意味で多大な影響を与えた新陰流の考察を、研究協力者(2人目)を中心に進める。また、有名な宮本武蔵が興した二天一流についても研究代表者が中心となり、考察を進める。 加えて、昨年度発表した近現代剣道に関する知見、直心影流に関する知見を論文として所属学会・所属機関に投稿していく予定である。
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