研究課題/領域番号 |
22K11708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
友村 美根子 明海大学, 保健医療学部, 教授 (30217559)
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研究分担者 |
坂東 健二郎 明海大学, 歯学部, 講師 (50347093)
友村 明人 明海大学, 歯学部, 名誉教授 (60188810)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 神経変性 / 炎症 / プロテアーゼ / アルツハイマー病 / ミクログリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)は歯周病により惹起される脳内炎症で増悪することが知られている。脳内炎症で活性化されるミクログリアは抗炎症作用を示すが、過剰反応では神経変性をきたす。ミクログリアに発現している免疫受容体TREM2はこの極性に関わる。血清カルシウム降下因子カルデクリンは歯周病原性毒素による炎症性骨吸収を抑制する多機能性プロテアーゼで脳に発現している。TREM2を介して炎症性-マクロファージの活性化を抑制することが示され、脳においても神経炎症を抑える可能性が示唆された。本研究は培養細胞やモデル動物を用いてADのミクログリア極性変換と神経細胞傷害におけるカルデクリンの効果について検討する。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)の原因物質であるアミロイドβ(Aβ)の神経毒性におけるカルデクリンの効果について調べた。NGFで分化した培養PC12細胞にAβ42を添加すると80%の細胞が死滅するが、野生型のカルデクリンを加えると46%に減少し、キナーゼ変異型のカルデクリンでも55%に減少した。同様に初代培養マウス大脳皮質細胞にAβ42を処理すると未処理に比べて28%の細胞が死滅するが、野生型のカルデクリンを加えると7.5%に減少し、キナーゼ変異型のカルデクリンでは20%であった。カルデクリンの代わりに培地にPMSF,またはカルデクリンの抗体を添加するとAβ42処理による細胞毒性が減弱した。In vitroでカルデクリンのAβ42分解活性を調べたところ、野生型カルデクリンは高い分解活性を持つがキナーゼ変異型は全く分解活性を示さなかった。以上の結果から、カルデクリンはプロテアーゼ活性と非プロテアーゼ活性の作用によってAβ42の神経細胞毒性を減弱させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
・遠隔での実験研究(保健医療学部には実験設備が不十分で、遠隔地にある歯学部で行っているため) ・コロナ禍での、物品や試薬納品の遅れ
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今後の研究の推進方策 |
・カルデクリンの脳内での発現と活性化 ・ミクログリアの各種刺激剤による活性化とカルデクリンの効果
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