研究課題/領域番号 |
22K11734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
勝海 悟郎 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (60815356)
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研究分担者 |
南野 徹 順天堂大学, 医学部, 教授 (90328063)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞老化 / 老化細胞除去 / 免疫逃避 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や生活習慣病ストレスにより体内に老化した細胞が溜まり、老化を促進したり様々な疾患をもたらしたりする。老化した細胞は免疫機構により本来であれば除去されることが想定されるが、どのように除去されるのか、また老化などでなぜ溜まるのかは明らかにされておらず、このメカニズムの解明に挑む。
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研究実績の概要 |
細胞老化の過程で発現増加するInterLeukin-Inducible Factor(ILIF)が老化細胞に対する内因性の除去機構からの逃避に寄与するか、当研究室で確立した老化細胞移植モデルを用いて検証を行った。マウス耳介由来線維芽細胞に放射線照射で細胞老化を誘導し、4日目にアデノ随伴ウイルスベクターを用いてILIFをノックダウンし、7日目に老化細胞をマトリゲルに容れマウスに移植した。移植2週間後にマトリゲルを採取し、解析を行うと、ILIFの欠失によって残存する老化細胞数が減少することが確認された。また、昨年度に実施した基礎的検討ではILIFの欠失はT細胞への影響が示唆されていたが、本モデルで再現性を確認したところ、T細胞ではなくNK細胞の浸潤数が増えていることが確認された。改めて条件を調整して共培養を行った結果、老化細胞移植実験と同様にNK細胞の細胞数が増加することが確認された。また、ILIFを中和するワクチンを開発し、高脂肪食負荷糖尿病マウスに接種したところ、血中ILIFの濃度減少と耐糖能異常の改善傾向が得られた。ただ、個体数が十分ではなく統計学的に有意な差には至っていない。そのほか、海外よりILIFノックアウトマウスの導入を進め、系統繁殖を進め、老化細胞特異的Creマウス(p16-Creマウス)およびCre-loxP駆動下にtdTomatoを発現するレポータマウス(flox-lsl-tdTomato-WPREマウス)との交配を進め、各遺伝子を持つ遺伝子改変マウスを作出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ILIFの老化細胞除去における機能解析はまずまず進んでいるが、対象となる免疫細胞が当初から変わり、再検討を要したため想定よりもやや遅れている。疾患モデルに対するワクチン開発は概ね順調に進んでいるが、ILIFノックアウトマウスの導入が昨年度のトラブルにより遅延しており、同マウスを用いた検証ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
ILIFのNK細胞に対する効果を老化線維芽細胞との共培養系を用いて詳細な検証を行う。また、ILIFワクチンの有効性を糖尿病モデル以外でも検証を進める。また老化細胞特異的Cre発現マウス(p16-Creマウス)とILIFノックアウトマウスを交配し、老化細胞特異的にILIFを欠失させるマウスを作出しており、同マウスを用いて各種疾患モデルマウスでの表現型を検証する。今年度中の論文執筆は厳しい状況だが、上記検証の遂行を通じてコアデータの収集に引き続き努め、今年度中の学会発表を目指す。
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