研究課題/領域番号 |
22K11735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
寺尾 晶 東海大学, 生物学部, 教授 (10451402)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 老化 / SAMP8 / SAMR1 / ノンレム睡眠 / レスベラトロール / メリンジョ / 睡眠の質 / 健康寿命 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではメリンジョの作用を有効成分と考えられるレスベラトロールに注目することで、「睡眠の質」と記憶の改善メカニズムを明らかにする。更に、抗肥満、「睡眠の質」改善、記憶改善と寿命延長の相関性を調べることでレスベラトロールの寿命延長機構を明らかにする。レスベラトロールの健康寿命延伸における科学的根拠が蓄積されれば、広く国民の健康の維持増進に役立てることができる。
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研究実績の概要 |
高齢者では老化に伴い概日リズムの位相が前進し、睡眠時間と睡眠の質が低下することが知られている。本年度は、老化促進モデルマウス(SAM)を加齢性睡眠障害のモデルとして活用することを目的として、老化促進と短寿命を示すSAMP8と正常老化を示すSAMR1の睡眠構築と概日リズムの評価を行い、以下の結果を得た。1)概日リズムについては、2ヶ月齢から5ヶ月齢のSAMP8マウスの明期12時間の活動量はSAMR1のそれに対して有意に高いことが示されたのに対して、暗期12時間の活動量は両系統で差が認められなかった。暗期12時間と明期12時間の活動量の比を比べるとSAMR1が3.7-5.4の値を示したのに対してSAMP8では1.6-2.5の値を示した。このことからSAMP8はSAMR1に対して概日リズムの振幅が小さいと考えられた。2)睡眠構築については、6ヶ月齢SAMP8マウスのノンレム睡眠量およびレム睡眠量はSAMR1マウスに対して有意に低い値を示した。また、この時のSAMP8マウスのノンレム睡眠エピソード持続時間はSAMR1マウスに対して有意に短縮していた。ノンレム睡眠エピソード長のヒストグラムを比較すると、SAMP8マウスはSAMR1マウスに対して10秒の短いエピソード頻度が増加していた。ノンレム睡眠エピソード長のヒストグラムを比較すると、SAMP8マウスはSAMR1マウスに対して10秒の短いエピソード頻度が増加していた。ノンレム睡眠時脳波構成を比較するとSAMP8マウスはSAMR1マウスに対してデルタ波領域のピーク値が低く、デルタ波強度も低いことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SAMP8における概日リズム異常が2ヶ月齢から観察され、5ヶ月齢に向けて徐々に拡大した。このため、6ヶ月齢の時点で睡眠評価を行ったところ、SAMR1マウスに対して、加齢に伴うノンレム睡眠の断片化が生じ、睡眠の質が低下していると考えられ、加齢性睡眠障害モデルとしての有効性を示した。マウスの睡眠評価はルーチンで行っているため、計画通りに実験を進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
食餌性肥満マウスと老化促進マウスにおいて、それぞれが異なる特徴を持つ睡眠障害モデルとなることを示した。今後はレスベラトロールを重量比で0.2%配合した餌を与えたマウスにおいて、老化に伴う機能低下に対するレスベラトロールの睡眠の質、体重、寿命に与える改善効果を調べる。
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