研究課題/領域番号 |
22K11741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
副田 二三夫 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (10336216)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エンリッチ環境 / 海馬神経新生 / trkB / クロペラスチン / AMPT / 海馬 / 腹圧性尿失禁 |
研究開始時の研究の概要 |
排尿機能障害の中でも女性に多い腹圧性尿失禁は、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患である。本研究は、排尿機能改善因子であるエンリッチ環境と非麻薬性中枢性鎮咳薬クロペラスチンが新規腹圧性尿失禁モデルマウスの排尿機能障害を改善する作用メカニズムを解明するため、以下の3点について検討を行い、有効かつ安全な腹圧性尿失禁の画期的治療薬の開発基盤の構築を目指す。①排尿機能改善因子による排尿機能障害の改善作用とi)海馬神経新生の増大、ii)脳内物質の増加の相関関係を解析する。②排尿機能障害の改善に関与する物質を海馬で探索する。③探索した候補物質を腹圧性尿失禁モデルに投与し、排尿機能障害の改善を検証する。
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研究実績の概要 |
今年度は、エンリッチ環境(EE)飼育による排尿機能パラメータの変化と海馬の神経新生能の増大および脳内物質の発現レベルの増加との間に相関関係が認められるか否かについて検討した。その結果、VCDの投与開始日から129日目以降の閉経後を反映するマウスの排尿機能は、15~16週間のEE飼育により、24時間および明時間の排尿回数および総排尿量は、スタンダード環境(SE)飼育群に比べ、EE飼育群で有意に減少した。 免疫組織染色の結果、VCDを投与しEE飼育した群(VCD-EE群)の24時間の総排尿量と腹側海馬のKi67の陽性細胞数の間に負の相関(相関係数-0.68, p<0.05)が認められた。VCD-EE群の明期の排尿回数と背側海馬のKi67の陽性細胞数の間に負の相関(相関係数-0.74, p<0.05)が認められ、背側および腹側海馬のDCXの陽性細胞数の間にも負の相関(背側の相関係数-0.76, p<0.05; 腹側の相関係数-0.82, p<0.01)が認められた。 リアルタイムRT-PCR解析の結果、VCD-EE群の明期の排尿回数は、腹側海馬のtrkB mRNAとの間に負の相関(相関係数-0.68, p<0.05)が認められた。そこで、Western Blotting法で腹側海馬のtrkBの発現レベルと排尿機能との相関を調べたところ、VCD-EE群の明期の排尿回数はtrkBとの間に負の相関の傾向(相関係数-0.57, p<0.1)が認められ、明期の総排尿量はtrkBとの間に負の相関(相関係数-0.66, p<0.05)が認められた。 以上の結果から、エンリッチ環境(EE)飼育による排尿機能、特に明期の排尿回数および総排尿量は、海馬の神経新生能の増大やtrkBの発現レベルの増加との間に相関関係があることが、はじめてわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度の検討で、VCDマウスのエンリッチ環境飼育の影響およびクロペラスチンの影響のデータ取得に時間を要してしまったため、当初は令和4年度実施予定であった海馬の神経新生能や脳内物質と排尿機能パラメーターの相関を調べる実験を今年度(令和5年度)に実施した。そのため、遅れが生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の検討で、VCDマウスの排尿機能に対するエンリッチ効果に海馬の神経新生能や脳内物質の発現レベルが関与する知見を得たことから、当初の予定通り、排尿機能障害の改善に関与する物質を海馬に絞って探索する。具体的には、VCDマウスにエンリッチ環境飼育またはクロペラスチンを投与したマウスから背側海馬と腹側海馬を切り出し、まず、PCRアレイを用いて神経活動に関与する受容体やチャネルなどについて、網羅的に遺伝子発現定量解析を行う。2倍以上の変動を認めた物質については、リアルタイムRT-PCR法、Western Blotting法、ELISA法により、mRNAおよびタンパク質レベルで、排尿機能障害の改善により、確実に変動する物質を探索し、これを候補物質とする。
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