研究課題/領域番号 |
22K11743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
宮田 昌明 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 教授 (90239418)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルギン酸 / 脂肪性肝疾患 / コレステロール / FXR / 胆汁酸 / TMAO / タウリン / 消化管 / bile acid / intestine / dyslipidemia / marine food |
研究開始時の研究の概要 |
胆汁酸は受容体を介し脂質代謝調節に関わることが知られているが、消化管内に多分子種存在し、その各々が消化管の核内受容体farnesoid X receptor (FXR) 等のアゴニストとしてのみならずアンタゴニストとしても作用する。よってこの消化管胆汁酸の質的量的変化が消化管受容体シグナルを介して脂質代謝の調節に関与すると考えられる。そこで脂質代謝異常の予防が認められる水産由来食事成分を用い消化管の胆汁酸組成変化とそれに連なる胆汁酸(FXR)シグナル変動と脂質代謝調節の連関を明らかにする事で、脂質代謝異常を予防する統一的な消化管胆汁酸依存的な機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
褐藻類に多く存在するアルギン酸ナトリウムは食物繊維として知られ、様々な健康機能性が示唆されている。最近食事性の脂肪性肝疾患モデルにおいて病態の予防効果が報告されたが、その作用機序については不明な点が多い。今回遺伝性の脂肪性肝疾患モデルと考えられるfarnesoid X receptor (Fxr)欠損マウスにアルギン酸ナトリウム5%添加させたAIN-93Mを9週間摂取させて病態に対する効果を検討した。アルギン酸ナトリウム摂取により肝障害マーカーの減少は認められなかったが、肝臓のトリグリセリドレベルの有意な減少が認められ、肝臓のオイルレッドO染色でも脂肪滴の減少が認められた。一方血中のトリグリセリドレベルは変動しなかった。総コレステロールレベルは肝臓、血中ともに有意な減少が認められ、血中のLDL, HDLコレステロールの有意な減少が認められた。消化管管腔内の胆汁酸組成には有意な変動は認められなかった。肝臓の遺伝子発現において脂肪酸合成酵素(Fas, Scd1)、コレステロール合成関連酵素(Hmgcr, Hmgcs)の有意な低下が認められ、脂肪酸、コレステロール合成の低下がコレステロール、トリグリセリドレベルの低下に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トリメチルアミンオキシドの作用については論文が受理された。一方アルギン酸ナトリウムについても脂肪性肝疾患を軽減させることが明らかになったことよりさらに胆汁酸シグナルとの関連が解析可能となった。これらのことより研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
アルギン酸ナトリウムの作用機序においては消化管管腔内の胆汁酸組成に変動が認められなかったことより、今年度は腸内細菌叢の組成変動を解析することにより、腸内細菌組成の変動と消化管内の代謝物に着目して機序の解明を実施する予定である。またタウリンにおける消化管胆汁酸組成変動の原因解明のため、腸内細菌叢の組成解析も実施する。
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