研究課題/領域番号 |
22K11748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
三原 法子 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (80533687)
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研究分担者 |
原田 知親 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (50375317)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | IoT食器 / 栄養指導 / 高齢者 / サービスデザインアイデア / 見える化 / プロトタイプ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、病院および介護福祉施設等の栄養指導で活用することを目的に、食事の質感・重量感・体積感などを加味して食事に対する手触り感を見える化できるIoT食器の研究開発と、それを用いた栄養指導の有効性を検証する。①山形県内の病院・福祉施設に勤務する管理栄養士を対象とした栄養指導のアンケート調査、②サービスデザインアイデアの「DishELa」をベースに、「栄養指導の見える化が可能なIoT食器」のプロトタイプの試作、を実施する。最終的に、実際の栄養指導等に導入して運用し、有効性やIoT食器を通じた手触り感・重量感を実感することによる栄養指導の効果の検証を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度に試作したプロトタイプ1号を分解し、病院・介護福祉施設等の栄養指導で活用できるように、新たなプロトタイプ2号を製作した。2号機はプロトタイプ1号の栄養素をgにするシステムを搭載したまま、器機に入力した塩分と水分量および既成食品のエネルギー量を皿で保持できるようにした。なお、システムに入力した栄養素は、八訂の食品成分表を、既成食品は主婦の友社の食材&料理カロリーブックから許可を得て使用した。 次に、プロトタイプ2号の計量台に載せる皿の立案を行った。汁物を除いた主食・主菜・副菜・果物・乳製品のバランスを農林水産省の物を参考に「7:5:6:2:2」または「6:5:6:2:2」とし、各料理を置く位置と場所の大きさの割合を定めた5つの食器案を作成した。案1は料理のバランスを7:5:6:2:2とし、円形型を作成し、農林水産省の和の配膳を参考に各料理の配置を決定した。立ち上がり形状という、すくいやすいデザインにしたため、高齢者でも食材をこぼすことなく、口に運ぶことができる形状とした。 案2は案1と同様のバランスで、四角型を作成し、隅切りの形とし、料理を取りやすい形状とした。案3・4は、料理のバランスを6:5:6:2:2とし、三信加工株式会社のユニバーサルデザイン食器を参考に、大きな3つの食事エリアを作成した。他の食器案と比べて各料理のエリアが近いため、運動機能が低下し皿に手が届かない、認知機能低下で一つのものを集中的に食べてしまう方にも対応できる形状とした。案5は、料理のバランスを6:5:6:2:2とし、今回のIoT食器開発の元となったサービスデザインアイデアの意見を取り入れ、食べたいものを中心に置くようなデザインとした。サービスデザインは、主婦層にターゲットを絞って出来上がったアイデアのため、料理のつくり手に合った形状とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
その理由は以下の4つの理由からです。 一つ目は、病院・福祉施設等に合った医療機器となり得るプロトタイプ2号が出来上がっていること。 二つ目は、これから温度センサーやカメラを搭載し、改良を行うまでに至っていること。 三つ目は、持ち運びがしやすい軽い素材を使用しているため、検証時にどこでも持っていけること。 四つ目は、検証施設に2施設が決定し、検証に医師が協力してくれること。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究のイメージは以下です。 5月末日までに、プロトタイプ2号に温度センサーと画像認識ができるカメラを搭載する。 6月~7月までに、カメラでの食品の画像認識を実現させるために、各料理の画像を可能な限り収取し、認識させる。また、プロトタイプ2号とその結果を表示するモニターとを繋ぐためのプログラムを作る。 8月~10月ごろに検証を行う。検証施設は2施設それぞれ20名の対象とする。病院:DM、脂質異常症、慢性肝炎、高血圧、心疾患患者20名とスポーツセンター:運動をしている中学生20名とする。 検証内容は、①管理栄養士や患者、運動をしている中学生に導入前アンケート調査を行う。②管理栄養士が栄養指導日やスポーツ日にDM食や常食を2名分ぐらい用意する。③患者や中学生が自分でRFIDを付けた皿に、用意されたDM食から各料理を盛り、それを計測台に載せる。④測定結果をモニターに数値やグラフで映し出すことで、その食事に含まれる栄養素をリアルタイムで見れるようにする。⑤そのデータを見ながら、管理栄養士は患者や運動をしている中学生の食事について指導する。⑥3か月後に、導入後アンケート調査を行う。 以上より、患者自身が盛り付けを体験しながら自身の摂取すべき食事量を知れるため、従来の手法に比べて患者の食事管理についての理解が深まることが期待できる。
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