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免疫系培養細胞を用いたセクリトーム解析による新規生物活性物質の網羅的探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K11759
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関群馬パース大学

研究代表者

高橋 克典  群馬パース大学, 医療技術学部, 准教授 (90597551)

研究分担者 久保原 禅  順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
菊地 晴久  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90302166)
木村 鮎子  群馬パース大学, 医療技術学部, 講師 (50553616)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードセクリトーム解析 / 合成化合物 / サイトカイン / IL-2 / 細胞性粘菌 / DIF誘導体 / 新規免疫制御剤
研究開始時の研究の概要

本研究は、細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子DIF-1の化学構造をベースに人工合成した各種DIF誘導体の中から、新規免疫制御剤の候補を探索することを目的としている。
まず、各種DIF誘導体を免疫系培養細胞に作用させて、培養上清中で増減する分泌蛋白をセクリトーム解析で特定する。増減が確認された分泌蛋白のうち臨床的意義が高いと考えられるものについて定量的に分析し、DIF誘導体の化学構造と薬理作用の相関関係を調べる。その結果をもとに、より安全で薬効の高い誘導体の構造を模索する。さらに作用メカニズム解析などを行い、最終的に候補となったDIF誘導体について動物実験で有効性・安全性などを確認する。

研究実績の概要

我々はこれまで、免疫系培養細胞に種々の合成化合物を添加した際に変化する培養上清中の分泌蛋白量をセクリトーム解析により網羅的に探索することを第一の目的として実験を進めてきた。その過程で、免疫細胞由来のサイトカイン産生に影響を与える可能性のある、いくつかの合成化合物を見出し新薬候補化合物と位置付けた。そこで、2023年度は、新薬候補化合物の化学構造をベースとしたアナログ化合物を多数合成し、それらの薬効について検討した。その結果、K562細胞(白血病細胞株)に対する抗腫瘍作用(IC50=17μM)を示す化合物を見出し、学術誌に報告した(Molecules,2024)。
また我々は、先行研究においてグラム陽性菌に対して抗菌活性を示す数種の化合物を見出したことを報告しているが(Biomolecules, 2019)、その際にアルブミン共存下における抗菌効果の減弱が課題となっていた。そこで今回は、抗菌活性を有する化合物の側鎖改変などにより作成したアナログ化合物を準備し、アルブミン共存下における抗菌活性の検討を行った。その結果、アルブミン共存下でもある程度薬効を維持する化合物を見出した(論文作成中)。抗菌薬を血中投与した際、血液中のアルブミンと結合して薬効を失うケースがあるが、我々が見出したアナログ化合物は、血中でも薬効を発揮する可能性が示唆された。
本年度は、これまでの研究で合成したアナログ化合物を中心にセクリトーム解析を実施し、サイトカインだけでなく、種々の分泌蛋白に対するアナログ化合物の影響を調べることで新薬候補化合物の探索に繋げたいと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、セクリトーム解析をベースとして実験のデザインを構築しているが、2023年度はセクリトーム解析に用いる質量分析装置の不具合により、メインの実験が行えない期間があった。そのため当初の予定よりやや研究スピードが遅れている。ただし、装置が使用できない期間も、関連実験を進めており、その成果を学術誌に投稿している。
現在は、装置のトラブルも解消されたため、本年度は研究の進行スピードを上げて進めていきたいと考える。

今後の研究の推進方策

まず、これまで何らかの薬理作用が確認できている合成化合物の化学構造と薬効の相関関係から、より強力な薬理作用を有する化合物の構造を推定し、合成する。そして、新たに合成した化合物の薬理作用の増減や、細胞毒性を確認しながら新薬の候補を探索する。
次に、新薬候補化合物に対し、セクリトーム解析を実施し、各種分泌蛋白発現への影響など、薬理作用以外の副次的な作用の確認を行う。さらに、細胞の種類を変えて同様の実験を行い、より安全で強力な薬理作用を有する化合物の探索に繋げていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Isolation and Structure Determination of New Pyrones from Dictyostelium spp. Cellar Slime Molds Coincubated with Pseudomonas spp.2024

    • 著者名/発表者名
      Nishimura T, Murotani T, Sasaki H, Uekusa Y, Eguchi H, Ishigaki H, Takahashi K, Kubohara Y, Kikuch H.
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新規免疫制御剤の候補化合物に関する作用機序の解析2023

    • 著者名/発表者名
      高橋克典
    • 学会等名
      第63回日本臨床化学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 土壌微生物由来の合成化合物による免疫制御とそのメカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋克典
    • 学会等名
      日本臨床検査医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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