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アルコール性肝障害の進展に関与する2種の終末糖化産物と生体内抗酸化能に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K11764
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関金沢医科大学

研究代表者

福村 敦  金沢医科大学, 医学部, 助教 (80367466)

研究分担者 飯田 安保  金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (10337173)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードアルコール性肝障害 / 終末糖化産物 / アセトアルデヒ由来終末糖化産物 / AA-AGEs / 毒性終末糖化産物 / TAGE / 酸化ストレス / 抗酸化能 / 抗酸化物質 / 飲酒 / アセトアルデヒド
研究開始時の研究の概要

アルコール性肝障害(ALD)の発生には、肝臓におけるアルコール (AL) の最初の代謝産物であるアセトアルデヒド (AA) が主要因子の1つとして知られている。終末糖化産物 (Advanced glycation end-products: AGEs) の中でもAA由来AGEs (AA-AGEs) と、ブドウ糖・果糖摂取時に生成されるグリセルアルデヒド由来-AGEs (GA-AGEs)には毒性があるため、ALD患者での血中量及び肝臓蓄積量を測定し、同時に飲酒時の副食や生活習慣について聴取することで、ALD患者における肝硬変の進展に寄与する因子を明らかにする。

研究実績の概要

アルコール性肝障害 (alcoholic liver disease: ALD) の発生には、肝臓におけるアルコール (AL) の最初の代謝産物であるアセトアルデヒド (acetaldehyde: AA) が主要因子の一つとして知られている。申請者らは、肝臓に蓄積した終末糖化産物 (advanced glycation end-products: AGEs) 、その中でもALの代謝で生じてくるAA由来AGEs (AA-AGEs) と、ブドウ糖・果糖の過剰摂取時に生成される毒性AGEs (Toxic AGEs: TAGE) の2種のAGEsに着目して、血中量の測定を行ってきている。ALDの発生・進展機序の一つに酸化ストレスの関与が挙げられるが、今回、ALD患者において肝硬変への進展に関与する因子を明らかにするために、飲酒時に摂取する副食や抗酸化物質の摂取状況などの生活習慣について聴取し、肝組織におけるAA-AGEs、TAGE、8-OHdG、SOD2などの免疫組織化学染色などを比較することとした。
初年度 (2022年度) は、6週齢のWistar/ST系雄性ラットを用い、Lieberらの方法に準じて、慢性AL性肝障害モデルを作成した。飲用する液体飼料の組成により 対照群とAL群に分け、それぞれ12週間飼育し、犠死させて肝臓を摘出し、血液を回収し、血清と肝組織中のAA-AGEsやTAGE量などを検討した。
2023年度は、対照群およびALD群のラット肝組織とALD患者の肝組織のAA-AGEs、TAGEの免疫組織化学的染色(免疫染色)を行った。また、同年度よりALD患者の外来フォローアップも並行して行った。飲酒に関連した生活習慣の聞き取りを行い、生活習慣病 (2型糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症) の合併の有無、また、ビタミンC、Eなどの抗酸化物質の摂取状況を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ALD患者の肝組織における安定したTAGEの免疫染色の確立および結果の解析に時間がかかっていること。また、外来通院中に受診しなくなる患者が一定数いること。

今後の研究の推進方策

2024年度 (最終年度) も引き続きALD患者に飲酒に関連した生活習慣の聞き取りを行い、生活習慣病およびその服薬歴を調査する。また、ビタミンC、ビタミンEなどの喫食歴ないしそのサプリメントの摂取状況を把握する。血清γ-GT値、MCV値で直近の飲酒量の増減を判断し、血清AST、ALTで直近の肝障害度を、また、血清アルブミン値および血清総ビリルビン値から算出されるALBIスコアにより肝予備能を評価する。継続通院患者に対しては、聞き取り調査前と聞き取り調査1年後の肝硬度 (肝線維化の評価) を超音波エラストグラフィー (ShareWave Elastgraphy: SWE) で評価する。肝生検組織を得られた患者では、AA-AGEsとTAGEに加え、8-OHdG、SOD2などの免疫組織化学染色を行う。外来フォロー後の2回目の肝生検は行わない予定である。
AA-AGEsとTAGEの血中量と肝組織内の免疫染色での両者の分布とに差異があるのかを明らかにして、この2種のAGE sがALDの発生・進展に相加ないし相乗的に作用するのかを明らかにしたい。
本研究により、お酒に抗酸化物質の摂取は良いか、朝から飲酒せず夕食中にだけお酒を食事と共に嗜む飲み方は肝臓に負担がかかりにくいかなど、飲酒に伴う諸問題に繋がるよう努めたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] アルコール性脂肪肝におけるペマフィブラートの有用性:アルコール性脂肪肝ラットモデルでの検討2024

    • 著者名/発表者名
      齊藤隆、山形光慶、久保田龍一、野村匡晃、湊貴浩、福村敦、尾﨑一晶、利國信行、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第43回アルコール医学生物学研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アセトアルデヒド由来終末糖化産物がアルコール性肝障害の病態進展に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      福村敦、橋爪智恵子、齊藤隆、久保田龍一、野村匡晃、高嶋吉人、澤田悠、嶋章宏、立石洪平、村上慧、津村崇、楠野颯樹、山形光慶、湊貴浩、尾崎一晶、利國信行、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第109回日本消化器病学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アルコール性肝障害発生に対するγ-GTP阻害剤GGsTopの抑制効果2023

    • 著者名/発表者名
      橋爪智恵子、齊藤隆、福村敦、湊貴浩、久保田龍一、野村匡晃、山形光慶、尾崎一晶、利國信行、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第31回日本消化器関連学会週間 JDDW2023 KOBE
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アセトアルデヒド由来終末糖化産物がアルコール関連肝疾患の病態進展に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      福村敦、橋爪智恵子、久保田龍一、野村匡晃、山形光慶、齊藤隆、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第42回アルコール医学生物学研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アルコール性肝障害発生に対するγ-GTP阻害剤GGsTopの予防効果2023

    • 著者名/発表者名
      橋爪智恵子、齊藤隆、福村敦、久保田龍一、野村匡晃、山形光慶、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第42回アルコール医学生物学研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高血糖をともなう飲酒者は肝障害を悪化させる2022

    • 著者名/発表者名
      久保田龍一、橋爪智恵子、福村敦、野村匡晃、湊貴浩、齊藤隆、尾崎一晶、竹内正義、堤幹宏、土島睦
    • 学会等名
      第64回日本消化器病学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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