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断続的断食による糖尿病網膜症予防法とその機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11767
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関摂南大学

研究代表者

石丸 侑希  摂南大学, 薬学部, 講師 (80611607)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワード糖尿病網膜症 / 断続的断食 / 予防療法 / 網膜神経変性 / 網膜神経障害 / オートファジー / アペリン
研究開始時の研究の概要

糖尿病網膜症は、病態初期に網膜神経細胞の変性・脱落が生じ、重度の視力障害に至る重篤な眼疾患であるが、現在のところ、網膜神経障害を防ぐ治療法は確立されていない。断続的断食は、1日の中で食事可能な時間を制限する食事法であり、生体環境の正常化を誘導することが報告されている。本研究では、糖尿病網膜症の網膜神経変性を未然に防ぐ効果的な予防法の確立を目指して、断続的断食による網膜神経保護効果について糖尿病モデルマウスを用いて明らかにする。

研究実績の概要

本研究は、糖尿病網膜症予防法としての断続的断食の有用性を明らかにすることを目的としており、昨年度、1型糖尿病モデルマウスであるAkitaマウスで生じる網膜機能低下に対して、断続的断食が著明な抑制効果を示すことを明らかにした。本年度は、この断食による網膜保護効果の機序の解明を目的として検討を行った。断食による網膜組織の細胞内シグナルの変化についてウェスタンブロット法を用いて検討した結果、24時間断食を行った野生型マウスの網膜において、エネルギーセンサーとして機能するAMPKのリン酸化、およびその下流で機能する転写因子であるFoxO3aのリン酸化が亢進することを見出した。免疫蛍光染色でリン酸化FoxO3aが網膜神経節細胞層および内顆粒層の細胞に存在することを確認した。FoxO3aは種々の抗酸化酵素の発現を制御していることから、いくつかの抗酸化酵素をコードする遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCR法により解析したところ、断食したマウスの網膜においてGPx-3の発現が増加することを明らかにした。また、網膜神経節細胞および内顆粒層に存在するアマクリン細胞に酸化ストレスを引き起こし、細胞死を誘導するNMDAを断食したマウスに硝子体内投与したところ、NMDA誘発網膜神経節細胞死が断食によって軽減されること、また、細胞内カルシウム流入や酸化ストレスによって活性化されるカルパインの基質であるスペクトリンαⅡの分解が抑制されることを明らかにした。以上の結果から、断食は網膜の酸化ストレス耐性を向上させることによって、網膜神経障害を抑制する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度は糖尿病モデルマウスでの網膜神経障害に対して断続的断食が保護作用を有することを明らかにし、2023年度は断食による網膜保護作用機構の解明を目的に検討を行った結果、その一端を解明できたことから、本研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2023年度の成果を基盤として、断続的断食を行ったAkitaマウスでの網膜神経保護作用機構について検討を進める予定であり、現在、断続的断食を行ったAkitaマウスの網膜における遺伝子発現の網羅的な解析を行っている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 糖尿病モデルマウスにおける網膜神経障害に対する断続 的断食による抑制作用2023

    • 著者名/発表者名
      石丸 侑希、米島 大起、吉田 未来也、西村 美紅、吉岡 靖啓
    • 学会等名
      第76回日本薬理学会 西南部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 網膜色素変性症モデルマウスの視細胞障害に対するグルコーストランスポーター阻害薬の保護作用2023

    • 著者名/発表者名
      石丸 侑希、種村 宙夢、吉田 未来也、吉岡 靖啓
    • 学会等名
      第73回 日本薬学会関西支部総会・大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Fasting alleviates NMDA-induced retinal ganglion cell death in mice2023

    • 著者名/発表者名
      石丸 侑希、岡本 祐里奈、米島 大起、吉田 未来也、西村 美紅、吉岡 靖啓
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 断続的断食が糖尿病モデルマウスの網膜神経障害に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      石丸 侑希、米島 大起、吉田 未来也、西村 美紅、吉岡 靖啓
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 培養網膜神経細胞における一酸化窒素誘発細胞死に対する高グルコースの影響2022

    • 著者名/発表者名
      石丸 侑希、朏 雅斗、福田 由佳、山室 晶子、吉岡 靖啓
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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