研究課題/領域番号 |
22K11781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
小村 智美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (10736515)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 線虫 / C. elegans / 乳酸菌 / アルツハイマー病 / アミロイドβ / メダカ / 食品微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症患者の60%を占めるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドβペプチド(Aβ)が生成・凝集し、神経細胞に変性を来すことで記憶障害が生じる。本研究では、短期間で評価可能なアルツハイマー病モデル線虫を用いてAβ生成を抑制する食品微生物の探索を行う。細菌食性の線虫は、その消化システムがヒトと大きく異なるため、モデル線虫で発見したAβ生成抑制菌株の評価には、脊椎動物である「メダカ」のアルツハイマー病モデルを作製し、その行動変化を解析することで、食品微生物の経口摂取がアルツハイマー病発症を緩和する可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
認知症患者の60%を占めるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドβ(Aβ)が生成・凝集し、神経細胞に変性を来すことで記憶障害が生じる。これまで小村らは、モデル生物の一種「Caenorhabditis elegans(線虫)」を用いて乳酸菌摂取による寿命延長や抗老化作用の解明に取り組み、その研究過程で、乳酸菌が神経機能の老化を軽減することを見出した(Komura et al., Microbiol. Spectr. 2022;10(3):e0045421)。乳酸菌は生理的な神経機能の低下だけでなく、神経障害に対しても効果を発揮する可能性がある。そこで本研究ではヒト Aβ合成遺伝子を導入したトランスジェニック線虫に種々の乳酸菌を与え、Aβによる神経障害を抑制できるか否か検証した。その結果、神経にヒトAβ合成遺伝子を導入した線虫では、対照線虫と比較して誘因行動が顕著に低下した。今回実験に供した乳酸菌14株のうち2株は、Aβ発現に伴う誘因行動の低下を顕著に抑制した。また、筋肉にヒトAβ合成遺伝子と回転遺伝子を導入した線虫では、Aβ遺伝子が発現すると回転運動が低下し麻痺が生じた。その一方で、これらの2株を与えたトランスジェニック線虫では、麻痺が抑制され回転運動を示した。さらに、これら2株を与えた線虫体内では、Aβ量が顕著に減少していた。以上より、ある種の乳酸菌を与えた線虫は体内のAβ量を抑制し、行動異常を改善させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
線虫モデルを用いて乳酸菌摂取におけるAβ発現抑制効果を見出すことができ、論文発表した。当初の予定よりも早期に線虫モデルで研究成果を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずは線虫よりも高等で、認知機能を有するモデル生物の一種「小型魚」を用いて、アルツハイマー病モデルの作製に取り組む。そのために飼育環境の設備を整え、研究室にセットアップし、モデル開発に必要な実験系の構築を進める。
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