研究課題/領域番号 |
22K11788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
安達 三美 帝京大学, 医学部, 教授 (10323693)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 老化 / 細胞老化 / 糖質コルチコイド / SF-1 / 時計遺伝子 / p16 / 老化関連疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、加齢により罹患率が上昇する老化関連疾患すなわち、動脈硬化、糖・脂質代謝異常症、免疫能低下、骨粗鬆症、鬱病などを、老化そのものをコントロールすることで予防できる可能性が議論されている。申請者はこれまでに、高齢マウスでは糖質コルチコイド(Glucocorticoid: GC)分泌の日内変動が減弱し、一日を通じてGCの血中濃度の高い状態が続くことを見出し、老化によって出現する新規のGC分泌機構の存在の可能性が示唆された。本研究では、その分子メカニズムの解明と、それによる老化関連疾患の発症や老化への影響について解析し、オミックス解析を駆使し、GCの制御による老化のコントロール及び健康寿命の延伸を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、副腎皮質から産生分泌されるステロイドホルモンである糖質コルチコイド(Glucocorticoid: GC)の老化促進の役割を解明することである。 これまでに、高齢マウスではGC分泌の日内変動がほぼ消失し、一日を通じて一番高くなるはずの夜並みの高い状態が続くことが明らかになった。本研究は、そのメカニズムの解析と、副腎の老化が及ぼす全身老化への影響を解析することを目的としている。これまでに、副腎皮質束状帯に蓄積した老化細胞において、何らかの機序により、ステロイド産生における最も重要な因子であるSF1の発現が誘導され、ステロイド産生および分泌が誘導されること、老化細胞の除去によりその現象が抑えられることが示唆されていた。2022年度は、高GCにおける時計遺伝子群の関与について解析した。その結果、老化副腎皮質では、時計遺伝子のコアループフィードバックの破綻が起こることにより、GC合成酵素であるStARとCYP11A1の転写が変化し、GC分泌の撹乱が起こる系が考えられ、加齢によって時計遺伝子依存的に変化するGC合成系の存在が示唆された。さらにメカニズムを追求するため、2020年に東京大学医科学研究所の中西真教授らが報告したp16発現誘導されると蛍光色素であるTomatoが発現するマウス(p16-CreERT2- tdTomato mouse)を用いて、老化副腎皮質束状帯細胞のsingle cell NGS解析を行う予定のため、準備中である。 また、全身老化への影響を調べるため、肝臓、骨格筋組織の解析を行った。その結果、GC分泌の日内変動が消失する24ヶ月齢以降に、エネルギー代謝に関与する酵素群の遺伝子発現が、ダイナミックに変化することが示唆された。高GCがフレイルに関与する可能性が考えられ、今後解析を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に必要な遺伝子組み換えマウスは、精子の供与を受けて準備しているが、供与された精子に野生型マウスの精子が混入されていた可能性があり、十分な匹数の目的のマウスが得られるまで時間がかかったため。ようやく揃い始めたため、実験を進行させることができた。今後、遅くなったが、予定通り進める。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2020年に東京大学医科学研究所の中西真教授らが報告した(Omori S. et. al.,Cell Metabolism 2020)p16発現誘導されると蛍光色素であるTomatoが発現するマウス(p16-CreERT2- tdTomato mouse)を用いて、老化副腎皮質束状帯細胞のsingle cell NGS解析を行う (2)2020年に東京大学医科学研究所の中西真教授らが報告した(Omori S. et. al.,Cell Metabolism 2020)p16発現細胞が選択的に死滅することにより除去されるマウス(p16-CreERT2-DTR-tdTomato mouse)を用いて、老化細胞除去によるGC分泌の若返りの検証を行う。 (3)老化副腎皮質における時計遺伝子群の変化のメカニズムにも迫りたい。 (4)GCの撹乱から老化促進へのメカニズムについて検討する。高齢vs. 若いマウス群の、骨格筋、脂肪組織、心臓、肝臓及び肺を用いて、DNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行う。 (5)SF-1ヘテロノックアウトマウスを用いて、老化による高GCが抑制されるか、それにより、個体老化及び老化関連疾患の発症を抑制できるか検証を行う。
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